1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 溶連菌感染症 症状は?A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 東京都は初の警報 感染した時の注意点

溶連菌感染症 症状は?A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 東京都は初の警報 感染した時の注意点

  • 2023年12月27日

「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者が増え続けています。主に子どもが感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出るとされ、東京都は、都内の患者数が基準を上回ったため初めて警報を発表しました。感染状況や症状、感染した際の注意点などについてまとめました。【更新 12月27日】

溶連菌感染症 クリニックの現場では

東京・港区にある小児科のクリニックです。発熱などを訴える子どもが、連日、訪れています。ここへきて増えているのが、「溶連菌感染症」の患者です。クリニックによりますと、11月は1週間に1人から3人程度でしたが、12月10日までの1週間では12人に達しました。

A群溶血性レンサ球菌 症状は

溶連菌にはさまざまな種類がありますが、発熱やのどの痛みなどの症状が出る溶連菌感染症のほとんどが「A群溶血性レンサ球菌」という細菌が原因です。

主に幼児や小学生などの子どもがかかり、数日の潜伏期間のあと、突然の38度以上の発熱やのどの痛みなどの症状のほか、首や胸などに赤い発疹が出たり、舌に小さな赤いできものが出たりすることがあります。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者数

全国で報告された週ごとの1つの医療機関あたりの患者数を見てみますと、2022年は、極めて少なかった一方、ことし5月以降は増加しています。

このうち東京都では、12月17日までの1週間の都内の患者数が、複数の保健所で基準を超えるなどしたため、21日、都は感染症法が施行された1999年以降初めて警報を発表しました。

患者数 全国は過去10年の最多更新 各地は 

国立感染症研究所によりますと、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について12月17日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は、前の週より622人増え1万5818人となりました。
医療機関あたりでは5.04人と前の週を0.21人上回り過去10年での最多を5週連続で更新しました。

○国の警報レベルの目安「8人超」
鳥取県 9.32人 富山県 8.66人
千葉県 8.3人 福岡県 8.19人
山形県 8.11人 埼玉県 8.04人

また、東京都が6.05人、大阪府が5.51人、愛知県が3.5人となっています。

子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院 谷口清州院長
「冬休みに入り、子どもたちの間での流行はいったん落ち着くと思うが、年末年始に人の移動が増えることで全国に広がる可能性もある。医療機関が休業する時期だが、嘔吐が止まらなかったり、ぐったりしていたりなど、全身の状態が悪いときは自治体の電話相談や、休日診療をしている医療機関、それに救急の窓口などを利用して欲しい。また、人にうつさないためにも体調が悪いときは予定を中止するといった判断をして欲しい」

【更新 12月27日】

溶連菌感染症 なぜ増加 注意点は

感染症に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、溶連菌感染症は発熱やのどの痛み、けん怠感などの症状が出ることが多く、感染が疑われる場合は受診して検査してほしいとした上で、次のように話しています。

○なぜ増加
新型コロナウイルスの感染対策によって感染の機会が抑えられ、免疫を持たないまま経過したがコロナの5類移行によって対策が緩和されたことで、広がりやすい場で一気に広がってしまっている。

○注意点
抗生物質が効くため、それをきちんと投与すれば早めに回復することができるし合併症のリスクも減らすことができる。薬を飲んで数日で症状が改善しても菌が一部残っていることがあるので、抗菌薬の服用は決められた日数を守ってほしい。

○感染対策
飛まつでの感染を防ぐためのマスクや接触での感染を防ぐための手洗いが重要だ。口の中に入ったかもしれない場合は、うがいも有効かと思うので、基本的な感染対策を続けていくことが大事だ。

ページトップに戻る