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子どもに流行 咽頭結膜熱と溶連菌感染症ともに過去10年最多 関東の状況は?

  • 2023年12月6日

子どもを中心に流行が続く「咽頭結膜熱」。

11月26日までの1週間の患者数は、前の週からさらに増え、過去10年間で最も多い状況が続いています。都道府県別では、北海道が7.99人、福岡県が7.24人などと国の警報レベルの目安となる「3」人を超えていて、関東地方では、埼玉県が4.91人、東京都が3.53人、千葉県が3.34人となっています。

また、「溶連菌感染症」の一種も感染者数が過去10年間で最多となりました。
都道府県別では、鳥取県が国の警報レベルの基準となる「8」人を超えて9.53人となっていて、次いで宮崎県が7.06人、千葉県が6.1人となっています。

子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は「今後も流行が続くと予想されるため、周囲の感染状況に応じて対策を取るようにしてほしい」と話しています。

咽頭結膜熱 過去10年で最多の状況続く

「プール熱」とも呼ばれた咽頭結膜熱は、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症です。
せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルなどを介しても感染します。

◇患者数は?◇
国立感染症研究所によりますと、11月26日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は、前の週より771人多い1万1139人となりました。

◇1医療機関あたりでは?◇
1医療機関あたりでは前の週を0.24人上回って3.54人となり、過去10年間での最多を6週連続で更新しました。

◇都道府県別◇
都道府県別では、北海道が7.99人、福岡県が7.24人、福井県が6.48人、佐賀県が5.96人。奈良県が5.91人、三重県が5.56人などとなっていて、あわせて26の都道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。

国の警報レベルの目安を超えている関東地方
▽埼玉県 4.91人
▽東京都 3.53人
▽千葉県 3.34人

「溶連菌感染症」の一種 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者増加

また、主に子どもが感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者も増加が続いています。

◇患者数は?◇
11月26日までの1週間に報告された患者数は前の週から253人増えて全国であわせて1万2146人となりました。

◇1医療機関あたりでは?◇
1医療機関あたりでは3.86人となっていて、過去10年間で最も多くなりました。

◇都道府県別◇
都道府県別では、鳥取県が国の警報レベルの基準となる「8」人を超えて9.53人となっていて、次いで宮崎県が7.06人、千葉県が6.1人となっています。

“周辺の感染状況に応じて対策を”

子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、流行は今後も続くと予想されるため、周囲の感染状況に応じて対策を取るようにしてほしいなどと呼びかけています。

国立病院機構三重病院の谷口清州 院長
「咽頭結膜熱などのウイルス感染症の場合、3日以上高熱が続くと脱水症状を起こすことも懸念されるので注意が必要だ。また、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は細菌性の感染症で、抗菌薬による治療が可能なので早めに医療機関を受診してほしい。流行は今後も続くと予想されるため、周囲の感染状況に応じて対策を取るようにしてほしい」

これまでNHKでは「咽頭結膜熱=いわゆるプール熱」とお伝えしてきましたが、厚生労働省がウェブサイトの説明を改訂したのにあわせ、今後は「咽頭結膜熱」と表記します。

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