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春闘2024 持続的賃上げに? UAゼンセン要求「6%基準」 非正規雇用は?

  • 2023年11月7日

来年の春闘に向け、連合の傘下で組合員が最も多い労働組合「UAゼンセン」は11月6日、定期昇給分をあわせて「6%を基準」とした賃上げを求める方針を明らかにしました。この数字は連合が掲げた目標「5%以上」を上回る水準になっていて、持続的な賃上げの流れを加速させたい考えです。実質賃金の状況や賃上げをめぐる動きをまとめました。

実質賃金18か月連続マイナス 物価に追いつかず

厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」の9月の速報値によりますと、物価の変動分を反映した働く人1人あたりの実質賃金は去年9月と比べて2.4%減少し、18か月連続のマイナスとなりました。

基本給や残業代などをあわせた現金給与総額は平均で27万9304円と去年9月と比べて1.2%増え、21か月連続でプラスとなりましたが、物価の上昇に追いつかず、実質賃金はマイナスの状況が続いています。

UAゼンセン「6%を基準」賃上げを

UAゼンセンは繊維、流通、サービス業などおよそ2200の組合でつくる産業別労働組合で、組合員は185万人あまり、およそ6割はパートなどの非正規雇用です。

来年の春闘の方針を話し合う集会が6日、東京都内で開かれ、来年の春闘について、ベースアップ相当分として4%、定期昇給分をあわせると「6%を基準」とした賃上げを求める方針を明らかにしました。
また、パートなど非正規雇用で働く人については時給の引き上げ額として70円を目安にさらなる上積みを求めるなどとしています。

「目指す」→「基準」 表現を強める

ことしは「6%程度を目指す」としていましたが、「基準とする」と表現を強めた形で、連合が掲げる「5%以上」を上回る水準で持続的な賃上げの流れを加速させたい考えです。

方針は来年1月の中央委員会で正式に決まる予定です。

UAゼンセン松浦昭彦会長
「ことしの春闘では30年ぶりの賃上げの高さとなったが、実質賃金の意味では浮上したとはまだ言えない状況だ。中小企業の間でも賃上げの幅ができたのが課題だったので、中小企業の組合で賃上げができる態勢を作ることに尽力を積み重ねたい」

非正規雇用で働く人への広がりも重要

一方、経団連では、来年の春闘に向けて企業の経営側の指針となる基本方針の策定に向けた議論を進めています。経団連の十倉会長は6日の記者会見で、来年の春闘で賃上げの勢いを維持するためには非正規雇用で働く人への広がりも重要になるという認識を示しました。

そのうえで、「政府・日銀は2%の物価上昇を目指すとしているが、適度な物価上昇を前提に、中長期にわたって構造的な賃上げをしていく。2%程度のインフレに負けない賃上げをしていく」と述べ、持続的な賃上げの必要性を強調しました。

「政労使会議」11月中にも開く方向で調整

政府関係者によりますと、岸田総理大臣は、政府と経済界、労働界の3者による「政労使会議」を、11月中にも開く方向で調整に入りました。
「政労使会議」の開催は、ことし3月以来で、経団連の十倉会長ら経済団体の代表や、連合の芳野会長などが出席する見通しです。

岸田総理大臣としては経済界や労働界との連携強化を図り、来年の春闘も見据えて、物価高を超える持続的な賃上げが、中小企業なども含めて実現する環境を整えていきたい考えです。

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