猛烈な暑さが続いている関東甲信。
気象庁が発表した長期予報によりますと、9月から11月にかけての3か月間も暖かい空気に覆われやすく、気温が平年より高くなると予想されています。
特に9月は、猛烈な暑さとなる日もあり、厳しい残暑が続く見込みです。
秋物商戦や農作物への影響はないのか、東京都の百貨店や農園を取材しました。
◎気温は高めの傾向秋も熱中症対策を
気象庁は22日、9月から11月にかけての3か月の予報を発表しました。
それによりますと、関東甲信は暖かい空気に覆われやすく3か月を通した気温は平年より高いと見込まれ、9月は猛烈な暑さとなる日が例年よりも多くなるおそれがあり厳しい残暑が続くほか、10月にも真夏日となる可能性があるということです。11月は平年並みか平年より高いと予想されています。
◎降水量は平年並みか多い見込み
前線や湿った空気の影響を受けやすいため、9月の降水量は平年並みか平年より多く10月と11月はほぼ平年並みと予想されています。
気象庁異常気象情報センター 楳田貴郁 所長
「太平洋高気圧の影響で湿った空気が入りやすく、東日本の太平洋側では来月は降水量が増えると予想している。一方、厳しい残暑で熱中症の危険性が高い状態が続くと予想されるので、注意をしてほしい」
9月以降も厳しい暑さが予想されるなか、百貨店では、涼しく着られるデザインの秋物の売れ行きが好調だということです。
東京・日本橋の百貨店の、婦人服を扱うセレクトショップでは、7月半ば頃から夏物の商品が少なくなり、お盆明けからは売り場の9割を秋物の商品に切り替えています。
厳しい暑さが続く中でも、秋の新作の売れ行きが好調だということで、8月1日から21日までの売り上げは去年の同じ時期と比べておよそ2倍になっているということです。
暑い中でも売れる秋物商品として衣料品ブランドから、秋らしい色合いで素材はコットンなど着心地が涼しい服や、ツイードなど秋を感じさせる生地の半袖やノースリーブの商品など、涼しく着られる衣料品が開発されていることから、百貨店では、こうした秋物の仕入れを強化しています。
また、国内の旅行者や海外からの観光客の来店も増えていて、秋物の商品が売れているということです。
日本橋高島屋 ショップマネージャー 浄内絵理さん
「まだまだ酷暑で暑い時期が続きますが、秋らしい色みで、素材感は着ていただきやすい、涼しいアイテムを多数とりそろえておりますので、そういった形で秋のファッションを楽しんでいただければ」
今後も厳しい暑さが続く見通しの中、残暑の影響は、秋冬の農作物にも及ぶ可能性があります。
東京・国立市の西野耕太さんの農園では、露地栽培で米や野菜などおよそ40品目を育てています。
今年の夏は、暑さで先端が茶色に変色したり、形が曲がったりしたため、通常どおり出荷できない野菜もあり、農家にとって厳しい状況が続いています。
西野さんの農園では、8月下旬のこの時期は、年末に向けて出荷予定のブロッコリーの種まきを行う時期にあたります。種をまいたあと、気温が高いと、発芽しても枯れやすくなるため、苗の管理が難しいといいます。
また9月には、例年、じゃがいもの植え付けを行っていますが、気温が高いまま秋になると畑の土の温度が高すぎていもが腐ってしまうため、植え付けの時期を慎重に見極めているということです。
今後も暑さが続く見通しについて西野さんは次のように話しています。
西野さん
「野菜の成長や種まきに影響はでてくるのであまり好ましくはないです。工夫はしますが、これから先も猛暑日が続くとなると対応にも限界があります。やれることはやりますが、厳しいかなと思います」