猛暑のなか、屋外プールや海水浴に出かける際には地面の温度にも注意が必要です。専門家は熱を吸収しやすいプールのアスファルトや砂浜などに長時間接触したり、寝そべったりしていると、気が付かないうちにやけどの状態になるリスクもあると指摘しています。プール施設側の対策や、私たちができる対策について専門家のアドバイスなどをまとめました。
7月の猛暑日の日数が過去最多となった東京の都心の平均気温は、平年を3度上回り気象庁が統計を取り始めてから最も高くなりました。都心は、さらに8月5日には、ことし16日目の猛暑日となり、過去最多に並びました。
こうしたなか、東京・青梅市にある東原公園水泳場は25メートルプールのほか、流れるプールやスライダーがあり、多くの家族連れでにぎわっています。
この暑さでプールサイドの地面の温度も上昇しています。プールサイドのアスファルトの温度が上昇しやすいということで、8月3日、NHKが表面温度を測定したところ対策をしていないアスファルトは52度を超えていました。
近畿大学医学部皮膚科 大塚篤司主任教授
「直接日光を浴びる以外にも熱を吸収しやすいプールのアスファルトや海辺の砂浜などに長時間接触したり、寝そべったりしていると、気が付かないうちにやけどの状態になるリスクもあるので注意が必要だ」
水泳場では、これまでも、プールサイドでのビーチサンダルの使用を認め、打ち水を行ったり、スプリンクラーを設置したりして対策を取ってきました。
さらに、ことしからはプールサイドの一部に人工芝を設置して水をかけるなどして対策を強化したということです。
この結果、濡れた人工芝は37度前後と対策をしていないアスファルトに対して15度ほど低くなっていました。
プールを管理する原田大雅さんは「施設側で行える暑さ対策には限界もあるので、個人でも熱中症など体調を崩さないための対策にあわせて取り組んでもらい、プールを楽しんでほしいです」と話していました。
大塚篤司主任教授
「コロナ禍でプールや海水浴に行くのを控えていた方も多いと思うので、久しぶりに行く際には日焼けの怖さを思い出して改めて対策を徹底して欲しい。定期的に日焼け止めを塗り直したり、1時間に1度は日陰で休憩を取ったりすること。また男女ともにラッシュガードを着るなどの対策を取ってほしい。重度の日焼けはやけどと変わらないので、水ぶくれができた場合や強い痛みを伴う場合はすぐに冷やすなどした上で受診してもらいたい」