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災害用伝言ダイヤル171 使い方のポイントは“あいたいよ”?

#防災やってみた
  • 2023年8月17日

皆さんはいざという時、大切な人とどのように連絡を取ろうと思っていますか?
私は東日本大震災の際に、両親と連絡がなかなか取れず、焦ったのを覚えています。同じような経験をされた方も多いのではないでしょうか。

そんな時に役立つのが、「災害用伝言ダイヤル」。とても簡単です!

でも、ポイントを覚えておくと非常に役立ちます。
ぜひ、みなさんもいざという時に備えて、一緒に使ってみませんか?
(アナウンサー 荒木さくら)

30秒でどう残す?

災害用伝言ダイヤルは災害時にNTTが提供するサービスで、171番に電話をかけてメッセージを登録・確認できます。地震、噴火などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される「声の伝言板」なんです。

7月の秋田の記録的大雨の際は、およそ5万件のメッセージが登録されたそうです。

本来は災害時に利用するものですが、多くの人に使い方を事前に覚えてもらう目的で、年に何度か体験できる日があります。

体験できる日は下にまとめてありますが、覚えやすいのは、毎月1日と15日です。

~体験した感想は?~
今回、私も初めて体験してみました!感想は一言「とても簡単」でした。
音声でどのように伝言を残せばいいのか教えてくれますし、登録方法もシンプルでした。

~使い方は~
①固定電話や携帯電話から171に電話をかける。
②自動音声が流れ、伝言を残す場合は1をプッシュ。
③そのあと、伝言を録音する電話番号を入力。
④音声を録音します。
※伝言が残せるのは30秒のみ!


アナウンサーの私としては、30秒あれば色々と伝えることができると思っていましたが・・・
意外とすぐに過ぎてしまいました。
コンパクトにどんな内容を伝えればいいのかもいまいちわからず、慌ててしまいました。

そんな私の伝言がこちら。

「あっ!荒木さくらです。渋谷のNHKにいましたが、無事です。(沈黙……)この後も(沈黙……)渋谷のNHKにいる予定です。私は無事です」

ところどころ沈黙してしまいました……。

ポイントは“あ・い・た・い・よ”

このメッセージ、NTT東日本の災害対策室の佐藤俊平さんに聞いてもらったところ…。

佐藤俊平さん
「名前と安否、この後の動きを伝えているのは良い部分だと思いますが、まだまだ伝えられることはありますね」

ということで伝言を残す上でのポイントを聞いてみました。
それは、「あ・い・た・い・よ」。

「あ」あなたのお名前
「い」今どこにいるか(場所)
「た」誰と一緒か
「い」いたいところはないか(けが)
「よ」予告(今後の行動)

この5つの項目を30秒の間に伝えると良いそうです。
ポイントを踏まえて、改めて伝言を残してみました。

「あ」荒木さくらです。
「い」今いるのは新宿区です。丈夫な建物の中にいます。
「た」今、仕事の同僚と一緒にいます。
「い」痛いところ、けがはありません、無事です。
「よ」このあとは渋谷のNHKに戻ります。荒木さくらは無事です。

どうですか?
「あ・い・た・い・よ」さえ覚えていれば、災害時に慌てていても、しっかりと伝言を残せそうだなと感じました。

「災害用伝言ダイヤル」の他にも、インターネットを使って伝言を登録する「災害用伝言版(WEB171)」いうサービスもあり、そちらも体験してみました。

こちらの登録方法もとても簡単でした。伝言を登録する電話番号と伝言を入力して完了です。

WEB版の特徴としては、日本語のほかに英語、中国語、韓国語に対応しているので、日本に住む外国人のみなさんにも、ぜひ使ってみて欲しいと感じました。

電話番号のメモが大事!

今回の体験を通して気づいたのは、「災害用伝言ダイヤル」はシンプルで使いやすいことはもちろん、初めて使うのが災害時になると、戸惑ってしまいそうだということです。やはり一度体験して慣れておくこと、また家族とどのようにこのサービスを利用していくか話し合っておくことがとても大事だと感じました。ひとつの電話番号で20件の伝言を残すことができるそうなので、どのように使うか、イメージしておくことも大切ですね。

そして、この「災害用伝言ダイヤル」を使う際に最も大事なのが、電話番号です。
私は珍しく(!?)体験の時、両親の携帯番号を記憶していましたが、家族や大切な人の電話番号を覚えていない、という方も多いのではないでしょうか。

いざという時に備えて、電話番号をノートなどにもメモしておくことも大事だと感じました。

利用することで命を救うことにも

さらに、もう一つお伝えしたいのが「171番」を使う意義です。
この「171番」を利用することは、自分の大切な人たちの安否を確認できるだけでなく、より多くの命を救うことにもつながるそうです。

多くの人が安否を確認したいと一般の電話番号に電話をかけると回線がひっ迫してしまいます。
その結果、110番や119番など、命にかかわる緊急電話がつながらなくなってしまいます。

そこで、この171番を多くの人が利用することで、回線のひっ迫が緩和され、緊急電話の回線を守ることにつながるそうです。

災害時、より多くの人の命が救われるようにするためにも、この「171番」広めていきたいですね。

覚え方は、「忘れて171(いない)?」。ぜひみなさんも体験してみてくださいね。

体験可能な日程
▼毎月1日・15日(00:00~24:00)
▼正月三が日 1月1日~1月3日(00:00~24:00)
▼防災週間 8月30日~9月5日(9:00~17:00)
▼防災とボランティア週間 1月15日~1月21日(9:00~17:00)

NTT 体験利用について
「体験利用のご案内」 https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171s/howto.html

  • 荒木さくら

    アナウンサー

    荒木さくら

    2019年入局。初任地・沖縄局在籍時には、津波避難の「英語版呼びかけ文章」の作成を担当。 現在アナウンス室所属。「首都圏ネットワーク」、「サタデーウオッチ9」フィールドリポーター。

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