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東京・港区 新橋のビルで火事 “爆発火災か” 現場の状況は

  • 2023年7月3日

3日午後、東京・新橋のビルに入る飲食店で爆発があり、4人がけがをしました。この事故についてその後の調べで、1つ上の3階にある都市ガスの配管の接続部分の一部がずれ、ガスが漏れる状態になっていたことが捜査関係者への取材でわかりました。当時の状況や、わかったことをまとめました。
(7月5日更新)

“爆発音とともに煙”

3日午後3時15分ごろ、東京・港区新橋のビルで「爆発音とともに煙が出ている」と通りがかった人から通報がありました。
ビルの2階に入る飲食店で爆発が起きたあと火が出たということで消防が消火活動にあたり、約3時間後にほぼ消し止められました。

この爆発で店の中にいた50代の男性店長と50代の女性従業員、それに通行人の50代と70代の男性のあわせて4人がやけどをするなどのけがをしました。

現場周辺の人は

現場の真向かいにあるビルに入った会社で働く女性
「午後3時ごろ、雷が落ちるような音がして外に出ると近くの正面のビルの2階部分の窓ガラスが割れて周囲にモノが散乱していました。2階部分には、バーのような店が入っていたと思います」

現場付近のイタリア料理店の店長
「店内で休憩していたところ、『ドーン』と1回、地震かと思うような音が聞こえた。何かと思って外に出たら、近くにあるビルのガラスの奥に火が見え、爆発したとみられるものが道路に散乱しているのが見えました」

現場近くにいた30代の女性会社員
「向かいのビルにいたら突然ドーンという大きな音がした。車がビルに突っ込んだかと思って外に出ると、2階から炎と煙が上がっていて焦げ臭いにおいとガスのようなにおいがした」

場所はJR新橋駅の西側

現場は、JR新橋駅から300メートルあまり西側にあるビルで、周辺には飲食店やオフィスなどが入るビルが建ち並んでいて、当時、現場では、窓ガラスが割れ周辺に散乱していました。

登記簿によりますと火災があったビルは地上8階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、警視庁によりますとこのビルの2階の飲食店が火元とみられています。
ホームページによりますと、この飲食店は新橋駅から徒歩4分のところにあるカフェバーで、「馬好きのオアシス」をコンセプトに、競馬や乗馬を愛する人や、馬主になることに関心がある人たちがお酒を楽しみながら交流できる店になっているということです。
 

ひとつ上の階 都市ガス配管の接続部分にずれ

警視庁などによりますと、店長は当時の状況について「ガスや下水のようなにおいがしていた。喫煙室でタバコを吸おうとライターをつけた瞬間に爆発した」と説明しているということです。

これまでに、この店はガスの契約はしておらず、店長は「調理の際は電気を使っていた」と説明していることがわかっていますが、その後の調べで、1つ上の3階にある都市ガスの配管の接続部分の一部がずれ、ガスが漏れる状態になっていたことが捜査関係者への取材でわかりました。

当日、3階では、午前中から床を平らにするなどの内装工事が行われていたということで、作業員は、床から出ていたガス管の一部に触れたなどと説明しているということです。

警視庁はその際に接続部分がずれてガスが漏れ出し、引火した可能性があるとみて詳しい状況を調べています。

専門家 “部屋にガス充満か”

東京理科大学 桑名一徳教授
「ライターの火であの規模の爆発が起きるにはすでに部屋にガスが充満していたと思われる。爆発によって窓ガラスが割れて辺りにものが飛び散ったと考えられる。爆発でガスはある程度燃焼するが、近くに可燃物があると燃え移り火災になる。今回は室内にあった可燃物に火がついて火災になったのではないか。通常、都市ガスやプロパンガスなどはにおいがするので分かるはずだが、事前に気づけなかったかどうか疑問が残る。万が一ガスがもれていることに気づいたら立ち入らず消防に連絡し、周辺の人もできる限り遠くに立ち去ってほしい。爆発で命に別状がなくても、火災による一酸化炭素中毒で死亡する可能性もあり、何かあったときにどう避難するか考えておくことも重要だ」

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