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Jアラート発出どう対応 地下へ避難する時の注意点や備え 専門家は

  • 2023年4月14日

防衛省は4月13日の朝、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表し、一時、北海道周辺を対象にJアラートで避難を呼びかける情報が発信されました。生活している地域にJアラートが発出された場合、どう対応したらよいのか。避難場所の探し方や逃げる際の注意点などについて専門家に聞きました。

“北海道周辺に落下するとみられる” Jアラート発出

4月13日の朝、防衛省は北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表しました。政府は、発射されたミサイルのうち1つが北海道周辺に落下するとみられると発表しましたが、その後、落下の可能性がなくなったと改めて発表しました。

通勤の時間帯に発信されたJアラートで札幌市中心部の地下街では、大勢の人が足を止め、その場にとどまっていました。

北海道の対応や影響は

JR北海道や札幌市営地下鉄が全線で一時運転を見合わせたほか、道内のすべての高速道路が一時通行止めになるなど、交通機関にも影響が出ました。

教育現場でも対応に追われました。北海道教育委員会によりますと、道内の小中学校や高校、それに特別支援学校などで、授業の開始時間を繰り下げる対応をとったということです。

緊急の避難 まずどうするか

首都圏を対象にJアラートが発出された場合、どう行動したらよいのでしょうか。緊急の避難などの対応について、専門家に聞きました。東京都の元危機管理監で陸上自衛隊元陸将の田邉揮司良さんに街を歩きながら、具体的な対応を聞きました。

最初にくるのは衝撃波。それに続いて熱風、爆風です。Jアラートがなったときどこに逃げるか。窓から離れた頑丈なもののかげに隠れるということが重要となります。

繁華街では 地下に避難する際の注意点

田邉さんによりますと、繁華街などでは爆風から身を守るためビルなどの頑丈な建物や、地下鉄の駅や地下街、地下道などに逃げることを最優先にしてほしいということです。
また、地下に避難する場合には、階段付近などに立ちどまらないようにすべきだといいます。

今、地下の階段を降りてきました。逃げる人の立場からすると、ここでついつい安心してしまうわけですよ。あとから避難する人が来きますので、ここで止まるとつかえてしまう。混乱するのでなるべく最初に入った人は、さらにさらに奥へ行っていただく。

そして、避難した先では爆風から身を守るため頭をかかえるようにしてしゃがむ姿勢をとることなどが必要だとしています。

住宅街や家の中ではどうする

一方、住宅街や家の中にいるときはどう対応するか。家の中にいるときには、ガラス窓からできるだけ離れて、トイレなど四方を壁や柱に囲まれた部屋に避難することも有効だということです。

〇住宅街
住宅地の方は地下施設だとか頑丈なビルとかが少ないですから非常に難しいと思います。まず落ち着いて、一番安全なところはどこかを探すこと。一番は建物の中に入ること。次いでさらにあれば地下ですね。

〇普段からの備え
自分の住んでいる場所で、近くで安全な場所ってどこだろうというのをまず確認をするということの繰り返しになると思います。できることを少しずつ学んで実践できることが極めて重要だと思います。

緊急一時避難施設 都内に4017か所

東京都はミサイル攻撃などから住民を守るために法律に基づいて「緊急一時避難施設」の指定を進めていて、これまでに4017か所まで増えました。床面積の合計は、国が基準としている1人あたり0.825平方メートルの1400万人分を超えています。
つまり都の人口を満たす分となり、都は「一時的な避難先を確保できた」と説明しています。

民間施設の指定 進まない話し合い

一方で、発射から数分で着弾する場合も想定すると、住宅密集地など公共施設が近くに少ない地域ではすぐに逃げ込める施設が不足していることが課題です。

このため、都は、民間企業のビルや地下施設も「緊急一時避難施設」として指定をはじめていますが、民間施設は14か所にとどまり、民間との話し合いは進んでいません。

都は、避難してきた人が死傷するなどした場合、行政側と施設側のどちらに責任を求めるかについて国が言及していないことが要因のひとつだとしていて、責任の所在を明確にするよう求めています。

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