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「びんずる尊者」盗難 スピード解決の決め手 新システムの仕組みは

  • 2023年4月13日

「びんずる尊者」の木像が長野市の善光寺から盗まれた事件は、通報からわずか2時間半で木像が発見され、スピード解決しました。その決め手になったのは、長野県警察本部が4月から本格運用を始めたシステムです。解決までの経緯や新システムの仕組みについてまとめました。

盗難のびんずる尊者 再公開

なでることで御利益があるとされている、善光寺の「びんずる尊者」の木像は4月5日に盗まれましたが、翌6日には善光寺に無事戻されました。
その後、「びんずる尊者」が再び公開されると、待ちわびて訪れていた多くの人が、御利益にあやかろうとなでていました。

通報から2時間半でスピード解決

善光寺によりますと、「びんずる尊者」の木像が盗まれたと警察に通報したのは4月5日の午前8時40分すぎでした。

警察によりますと、善光寺の防犯カメラには像を盗み出す人物の姿がうつっていていて、およそ60キロ離れた松本市内で特徴のよく似た人物が車を運転しているところを発見し、車内から像が見つかりました。

通報からおよそ2時間半のスピード解決となりました。

「110番映像通報システム」とは

解決の決め手になったのは、長野県警察本部が4月から本格運用を始めた「110番映像通報システム」でした。

システムは、110番通報をした人に現場の様子などを撮影して警察に送ってもらうよう協力を求めるもので、スマートフォンなどに送られてくる専用のURLをクリックし、電話で指示を受けながら画像や映像を撮影・送信できる仕組みです。

防犯カメラにうつった人物の画像を共有

今回の事件で善光寺の関係者は、防犯カメラにうつっていた盗み出す人物を撮影して画像で送り、警察は緊急配備をかけるとともに各地の警察官と共有しました。
その結果、捜査員が特徴のよく似た人物を見つけ、像の無事保護につながりました。

長野県警察本部通信指令課 鷹野昌樹課長補佐
「現場の状況などが視覚的に確認できるため、より正確な指令を出して対応できるようになった。ぜひ協力してほしい」

試行期間中には行方不明者の早期発見も

長野県警察本部によりますと、ことし2月までのおよそ5か月間の試行期間には画像・映像付きの110番が11回あり、中には、行方が分からなくなっていた高齢者が早期発見されたケースがあったということです。

このシステムの本格運用の最初の通報が今回のびんずる尊者の盗難事件でした。この画像付き110番は全国の警察で導入されているということです。

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