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電子レンジ火災が過去最多 加熱しすぎに注意 「いも」や冷凍食品

  • 2022年12月21日

空気が乾燥する、この時期、特に注意が必要なのが火災です。
そんな中、電子レンジから出火したケースが増えていると消防が発表しました。
その件数、東京消防庁によりますと、今年は12月5日時点で74件と過去最多になっています。

電子レンジの火災を防ぐにはどうすればよいのか、まとめています。

電子レンジ火災 すでに過去最多

東京消防庁によりますと、電子レンジ火災は去年1年間に65件とこれまでで最も多く発生しましたが、ことしは12月5日時点ですでにこれを上回る74件発生しているということです。

この6年間の電子レンジによる火災の発生件数です。
2018年から増え続け、ことしは12月5日の時点で、すでに過去最多となっています。

こうした事態を受けて東京消防庁は電子レンジが関係する火災が、どのようなケースで起きるのか再現した実験動画を12月からあらためてホームページで紹介して注意を呼びかけています。

ことしの火災で「出火した食材」を見ると、最も多いのが「いも類」。
次いで、冷凍食品、パンとなっています。

東京消防庁によりますと、電子レンジによる火災は、「食品を長時間加熱しすぎた」、「電子レンジで使えないアルミ製の包装ごと加熱した」という2つの原因によるものが全体のおよそ8割を占めているということです。

このうち、電子レンジにさつまいもを入れて、700ワットで長時間加熱した状況を再現した動画では、およそ12分後に煙が出ます。

さらに加熱を続けると、その2分後に出火しました。

実際に消防に寄せられた報告では、パンを温めるために700ワットで3分程度加熱したところ出火したといったものや、牛乳を500ワットで温めていたところ3分ほどで庫内に付着した油かすが過熱されて出火したケースもあるということで、

比較的短時間の加熱でも油断できないことを示しています。

電子レンジで火災 なぜ起きる

なぜ火を使わない電子レンジで火災が起きるのでしょうか。
電子レンジは食品の分子を電波で振動させることで全体をあたためる仕組みです。
専門家は、長時間の加熱によって水分が蒸発したあとほかの成分が温められ続けることで発火点を超えるまで温度があがってしまうと指摘しています。

電子レンジ使用時の注意点
○加熱時間が自動設定でも目を離さない
○油かす発火のおそれ 定期的に庫内掃除
○周囲に燃えやすいものを置かない
○冷凍食品などはパッケージなどが電子レンジ対応か
○適切な加熱時間・ワット数で加熱

東京理科大学火災科学研究所の松原美之教授によりますと、電子レンジを使用する際は、自動で加熱時間が設定される場合でも、温めている際は、目を離さないことや、付着した油かすが発火する危険性があるため、定期的に庫内を掃除すること、そして、周囲に燃えやすいものを置かないようにすること、冷凍食品などは、パッケージなどが電子レンジに対応しているかを確認し、適切な加熱時間やワット数で加熱することが必要だということです。

火災発生時の対応とは?

さらに、電子レンジ内で発火した際の対応としては、感電の恐れがあるため、すぐに水をかけず、コンセントを抜いたうえ空気を遮断するために、とびらを閉めたままにすることが重要だということです。

また、ことし都内で電子レンジによる火災が過去最多となった理由としては、コロナ禍の巣ごもり需要で電子レンジを使う機会が増えたことや、冷凍食品が多く出回るようになったことなどが考えられるということです。

東京理科大学火災科学研究所 松原美之 教授
「身近で便利な電子レンジは、実際に火を使わないため安全だと思われがちだが、間違った使い方をすることで実際に火事が起きていることから油断せずに使ってほしい」

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