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コロナ第8波 年末年始の感染状況どうなる?国内旅行や忘年会は回復

  • 2022年12月12日

新型コロナウイルスの感染の第8波、年末年始にかけての感染状況はどう推移していくのでしょうか。大手旅行会社のまとめによりますと、年末に国内旅行をする人の割合はコロナ感染拡大前の7割まで回復する見通しだということです。AIを使った今後の東京都内の感染状況の予測や、年末年始の行動の注意点などをまとめました。

国内旅行や忘年会 “感染拡大前の7割”

大手旅行会社のJTBは、アンケートや航空各社の予約状況などをもとにこの年末年始の旅行の見通しを調べました。
それによりますと、12月23日から1月3日までの期間に1泊以上の旅行をする人は、のべ2115万人と予測しています。

〇国内旅行
このうち、国内旅行は前の年よりも16.7%多い2100万人で、感染拡大前である3年前の71.8%まで回復する見通しです。コロナ禍で減少傾向にあった遠方への旅行も増えていて、北海道や沖縄への旅行も前の年より増加するとしています。

〇海外旅行
海外旅行は15万人と水際対策の緩和が進んだことで前の年の7.5倍に増えると見込んでいます。ただ、3年前に比べると18.1%にとどまっていて、円安の影響や、航空機の燃料の値上がりで国際線の運賃に上乗せされる「燃油サーチャージ」が高止まりしていることなどが背景にあるとみています。

飲食店の大手予約サイトに登録する全国の店を集計したデータによりますと、11月23日時点で、12月の予約件数は、コロナ禍前の2019年の同じ月と比べて、69%まで回復しているということです。

年末年始 都内の感染状況 AIを使って予測

名古屋工業大学の平田晃正教授のグループは、AI=人工知能を使って、新たな変異ウイルスの状況や12月5日までの感染状況、ワクチンの接種状況、それに、ツイッターなどで出てきた飲み会の開催状況などの情報を加えて、今後の感染状況を予測しました。

東京都の1週間平均の1日あたりの新規感染者数は、12月上旬時点でおよそ1万2000人、新たな変異ウイルスの感染力を1.2倍と想定しています。

〇社会活動が控えめな場合
忘年会の開催状況が抑え気味となるなど、社会の活動が控えめな場合には、年明けにかけて緩やかに上昇し、1月上旬におよそ1万9000人でピークとなるとしています。

〇社会活動が大きかった場合
一方で、社会活動が大きかった場合には12月下旬には2万人を超え、1月上旬にはおよそ2万8000人に達するという試算が示されたということです。

名古屋工業大学 平田教授
「今後の感染者数の推移は私たちの行動次第だ。社会の行動がいまと同じ程度であれば、感染者数はゆっくりと上昇していく可能性が高いと思う。一方で、忘年会など年末年始で人の交流が増えてくるので、これから上昇に転じる可能性は十分ある。SNSの投稿を分析していると、11月下旬くらいから飲み会などの開催が増えていて、これから昔の友人と会うといった機会も増えると思うので、人と人との接触の機会は増える。そういったときに、感染対策が十分でなく、人の行動も抑えられなかった場合には、『第7波』に相当するような感染状況になる可能性はある」

専門家会合 “全国的には横ばいから増加傾向が続く”

厚生労働省の専門家会合は7日、今後の感染状況の短期的な予測では、地域差や不確実性はあるものの全国的には横ばいから増加傾向が続き、より免疫を逃れやすいとされるオミクロン株の「BQ.1」系統の割合が国内でも増加しつつあること、年末に向け接触機会が増えることなどによる影響に注意が必要だと指摘しました。

必要な対策については、年内にオミクロン株対応のワクチン接種を終えるよう呼びかけ、自分で検査できる抗原検査キットの活用を進めるよう求めています。
さらに忘年会シーズンを迎えることを踏まえ、飲食はできるだけ少人数で、飲食時以外はマスクを着用すること、換気の徹底、症状があるときは外出を控えることといった基本的な感染対策の再点検や徹底を改めて呼びかけています。

忘年会や新年会 帰省の対応は?

年末年始を迎える中、ことしこそ忘年会をしようと考えている人や、実家に帰省しようと考えている人も多くいると思います。東京医科大学の濱田特任教授は、いまの感染状況であれば、十分な感染対策をとった上で、忘年会や新年会、それに帰省も可能だとして、基本的な感染対策やワクチンの接種の大切さを強調しています。

東京医科大学 濱田特任教授
「年末年始は移動が増え、人と人との接触機会が増える影響で感染拡大につながることが考えられる。家で過ごすようになって換気がおろそかにもなり、感染が拡大する要素になる。忘年会や新年会、帰郷といった予定のある方は、ワクチンの追加接種をできるだけ考えてほしい。
今後広がる恐れがある『BQ.1』系統は免疫をすり抜ける力が従来の変異ウイルスよりも強いが、ワクチンが全く効かないということではない。オミクロン株に対応したワクチンを接種し、体の免疫を高めておくことで、『BQ.1』が体に入ってきても防御に効果が出ると考えたらよいと思う。冬場の流行を拡大させないためにはマスクも重要だが、一番の切り札は部屋の換気だ。定期的に窓を開けるなどして、流行の拡大を抑えてほしい」

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