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BQ.1.1にオミクロン株対応ワクチンの効果は? 接種率と供給状況は

  • 2022年12月20日

新型コロナウイルスで、「BQ.1」系統など新たな変異ウイルスに対するオミクロン株対応ワクチンの効果についても報告が出始めています。「メッセンジャーRNAワクチン」を製造、販売している製薬会社が公表したデータや、アメリカの大学などのグループが発表した研究結果、さらに国内の接種率や従来型を含めたワクチンの供給についてまとめました。

オミクロン株対応ワクチン 必要量12月19日の週にも

新型コロナウイルスのオミクロン株対応のワクチンについて、2022年9月20日から「BA.1」対応のファイザーとモデルナのワクチンの接種が始まっています。このあと「BA.5」対応のファイザーとモデルナのワクチンの接種も始まり、対象はいずれも12歳以上からとなっています。
厚生労働省は希望する人が2022年内に接種を終えられるよう体制の整備を進め、12月19日の週のうちに対象者の接種に必要な量が届く見通しです。

BQ.1.1への効果は? 期待できるとするデータも

オミクロン株対応ワクチンは、拡大が懸念される「BQ.1」系統など、新たな変異ウイルスに対する効果についても報告が出始めています。「メッセンジャーRNAワクチン」(mRNAワクチン)を製造、販売している製薬会社は、オミクロン株に対応したワクチンは、「BQ.1」系統にも効果が期待できるとするデータを発表しています。その一方で、ワクチンの効果が低下する可能性を示唆する研究もあります。

〇効果期待できるとするデータ

ファイザーは、55歳以上を対象に調べた結果として「BA.5」対応のワクチンを追加接種したあとでは「BQ.1.1」に対する中和抗体の値が8.7倍になった一方、従来型のワクチンを追加接種したあとでは1.8倍だったとして、オミクロン株に対応したワクチンのほうが、効果が高いとしています。

モデルナも、「BA.5」対応のワクチンは、「BQ.1.1」に対しても強い中和活性を示したと発表しています。

〇効果低下する可能性を示唆する研究

アメリカ・コロンビア大学などのグループが12月、科学雑誌の「セル」に発表した研究によりますと、従来型のワクチンを3回接種し、その後、オミクロン株対応のワクチンを追加で接種した場合の中和抗体の値は、「BQ.1.1」に対しては従来型のウイルスへの値と比べ41分の1になっていたということです。
グループは「感染しやすくなっている可能性はあるが、重症化を抑える可能性や後遺症のリスクを下げる可能性は、引き続き示されている」としています。

専門家 “重症化を抑える有効性のあるワクチン”

北里大学 中山哲夫特任教授
「抗体のレベルが下がっているからといって、新たな変異ウイルスに対してワクチンの効果がなくなるわけではない。抗体のほかに、細胞性免疫といって感染した細胞をやっつける力もワクチンの接種で押し上げられる。今後、新たな変異ウイルスが増えていく中でも、重症化を抑えるという点で有効性のあるワクチンだと思う」

オミクロン株対応ワクチン接種率 若い世代で伸び悩む

オミクロン株に対応したワクチンの接種ですが、政府が12月19日に公表した最新のデータによりますと、接種を受けた人は3758万2513人で、接種率は全人口に対する29.8%となりました。

年代別の接種率は、70代と80代は50%を超えている一方で、最も低い20代は14.66%、12歳から19歳は16.38%、30代は18.1%と、若い世代の接種率が伸び悩んでいます。

厚生労働省は全国の自治体に対して、予約状況を踏まえて接種枠を拡大するよう求めるほか、若い世代が接種できるよう、夜間・休日の接種や、副反応で体調を崩した場合に活用できる休暇制度の周知に取り組むことにしています。

従来型ワクチン 供給は年内で終了

一方、オミクロン株に対応したワクチンの接種は従来型のワクチンを少なくとも2回接種した人たちが対象ですが、その従来型ワクチンの供給は年内で終わる予定です。
従来型のワクチンは、2020年2月から接種が始まりましたが、11月以降、接種が増えていて、国は年内に自治体に供給した従来型ワクチンの無料での接種を2023年3月までは行うことにしています。

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