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【新春企画】川勝知事に○×で聞く  後半・議会との対立・4期目の振り返り

  • 2024年01月30日

知事新春インタビュー。前半のテーマはリニアでしたが、後半は、「深刻化する議会との関係や4期目の評価」について、○×の一問一答で聞きました。
(インタビュアー:静岡局アナウンサー後藤康之/取材・構成:県政キャップ・仲田萌重子)

(前半の「【新春企画】川勝知事に『〇×』で聞く リニアの今後」は👇こちらから)

【知事の発言。重みは…?】
 

去年の県議会。川勝知事自身の失言が発端となり、50年ぶりの不信任決議案や発言の訂正を求める決議も出されるなど大揺れに揺れました。

〈○×質問〉
「50年ぶりに県議会に提出された知事の不信任決議案の採決のときは正直緊張した」

(川勝知事)
“○”

〈○×質問〉
「不信任決議案の提出やおととしの辞職勧告決議は県政史上の汚点であり情けない事だ」

(川勝知事)
“○”

(後藤アナウンサー)
「ただ原点をたどれば、おととしの辞職勧告決議案が提出され可決された、それを受けてのボーナス給与の返上をするという話でした。やめるという選択肢は当時の川勝さんにはなかった」

(川勝知事)
「ありません。私は県議会によって選ばれたのではなく、県民から選ばれているわけですね。辞職勧告決議は県議会の野党の皆様方の強い意見が反映されてると思いますけれども県民全体の意見とまた一線を画して有権者から選ばれているという自覚を持っています

【議会空転続く理由は自民?知事「答え差し控える」】

〈○×質問〉
「言葉を発する時にはいつも県民の事を考えている」

(川勝知事)
“○”

〈○×質問〉
「自分の言葉が県民に理解されていないと思うことがある」

(川勝知事)
“△”

「まあ、聞いてませんからね。そういう場合もあるかもしれませんね。ほとんど理解されていると思ってます」

(後藤アナウンサー)
「時々、理解はされていない」

(知事)
「しかたがないですよね」

〈○×質問〉
「本来進めるべき県政の課題の議論が進んでいない」

(川勝知事)
“○”

「まあしかしこれもね、予算通ってますからね全部。進んでいるともいえるわけです」

〈○×質問〉
「議会の空転が続く原因は自分だ」

(川勝知事)
“○”

〈○×質問〉
「議会の空転が続く原因は自民改革会議だ」

(川勝知事)
“△”

「なかなか難しいところで、答えは控えましょう」

〈○×質問〉
「議会と今後コミュニケーションを深めていくアイデアがある」

(川勝知事)
“○”

「自然体でやっていきます。70名弱の議員さんがいらっしゃるので議員さんとコミュニケーションをとる。信頼関係を築いていきたいという意思を持ってます」

(後藤アナウンサー)
「議員にせよ、子どもからお年寄りまで、いついかなるときにもすべての人に分かりやすく誤解のないように伝えるっていうことが、知事という職に限らず、人前で言葉を発する立場としては一番に心がけなければいけないことだと思うんですがそこについてはどう考えますか」

(川勝知事)
「受け取る側の問題もあるでしょう。どなたにでも分かるように話はしなくちゃなりませんが、分かってもらわない場合があってもしかたがない。結局信頼に戻るんですね。信頼関係があると耳を傾けますね。どなたにも分かるように話すというのが私の仕事だというのはおっしゃるとおりだと思います」

【4期目も折り返し。どう振り返る?】

去年7月で初当選から14年が経ち、4期目の任期の折り返しを迎えた川勝知事。これまでの自身の県政運営についても聞きました。

〈○×質問〉
「これまでの3期半の間に成し遂げたと自負している実績がある」

(川勝知事)
“△”

「みんなで成し遂げてますからね、例えば富士山の世界文化遺産登録とか、南アルプスの『ユネスコエコパーク』登録とか。そりゃよかったなと思っているものがあるということですね」

〈○×質問〉
「自分が知事になったことで県民の暮らしは良くなった」

(川勝知事)
“△”

「良くしたいと常に思ってます。それが僕の仕事ですから」

(後藤アナウンサー)
「2023年度の県政世論調査では暮らし向きが苦しくなっていると答えた人の割合が初めて5割を超えました。どう受けとめますか」

(川勝知事)
「それはそうでしょう。コロナ禍でですね。物を作っても売れないし、食堂や旅館、観光業界の人たちは、非常に厳しい目を経験されましたね。暮らし向きは厳しいと思います」

(後藤アナウンサー)
「1人でも多くの県民を幸せにするために県として何をしますか」

(川勝知事)
「スポーツ立国あるいはスポーツ立県、スポーツ王国。どういう言い方をしてもいいんですけど、スポーツ武道というのをスポーツ協会の会長も仰せつかっているのでそこに力入れたいなと思ってますね」

〈○×質問〉
「4期目の任期中に成し遂げたと感じている実績がある」

(川勝知事)
“△”

「JR東海の丹羽さんに社長を代えたのは、私じゃありませんがね。丹羽さんになって(リニアの品川ー名古屋間の開業が)2027年以降になった。これは本当に大きな決断だと思う。南アルプスの現実を見ると非常に難しいと。それが2037年まで延びたというふうに思うのでこれはすごくうれしいですよね」

 

【5期目の立候補は…“考えていない”】

〈○×質問〉
「2025年行われる予定の次の知事選挙に立候補する」

(川勝知事)

“△”

「考えていません。今はともかく1期4年だけ預かってるのでですね。1期目のときも次の知事選をどうするなんてことは考えてませんでした」

(後藤アナウンサー)
「つまり立候補するかもしれないし、しないかもしれないということですか」

(川勝知事)
「そうですね。1期間4年をしっかりと、仕事を全力を尽くしてやり遂げるということに尽きます」

【よく見聞きし分かり、そして忘れず、人のため世のために尽くすこと】

任期中を駆け抜けると誓った川勝知事。2024年、県政にどう向き合うのか。「知事のあり方」を書いてもらいました。

(川勝知事)
「知事として最も大切なことは、『よく見聞きし分かり、そして忘れず、人のため世のために尽くすこと』である。よく見聞きし、分かるっていうのは宮沢賢治さんの言葉です」

(後藤アナウンサー)
「そして忘れずというフレーズにはどういう意味が込められていますか」

(川勝知事)
「私にとって静岡県は偉大なる“テキスト”なわけですよ。人間忘れるものでしょ。忘れないためにはなるべく早く行動する事ですね。善は急げということで。知行合一といってもいいですし。現場主義といってもいいんですが、それを常に心がけていてそうしたことがわかりやすく書かれているのが、宮沢賢治さんの手帳に残された、祈りともいえる雨ニモマケズの詩です」

(後藤アナウンサー)
「ことしも1年、さまざまな課題であり議論もあるでしょう。本当に県民のためになる県政をお願いしたいと思います」

(川勝知事)
「ありがとうございました」

  • 後藤康之

    静岡放送局 アナウンサー

    後藤康之

    声優志望からアナウンサーに。「NHKニュース たっぷり静岡」キャスター2年目。伝える上でのモットーは「そのニュースに触れたときのファーストインプレッションを大切に」。最近は落語にもハマりはじめた。

  • 仲田萌重子

    静岡放送局 記者

    仲田萌重子

    全国紙記者として福島県浜通りで過ごし2022年NHK入局。「川勝番」は3年目に突入したが、リニアや政局取材など今も緊張の日々が続く。息抜きは祖父が生産する静岡茶を飲むこと。

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