仙台市民 何にお金使った? ~2022 家計調査を読み解く~
最近、何にお金を使いましたか?
去年1年間に2人以上の世帯が消費に使った金額をまとめた国の調査結果が発表されました。
仙台市は「かまぼこ」の支出額で日本一。
日本一は23年連続です。
実は、仙台の日本一はまだほかにもあるんです。
さて、いったい何でしょうか?
(仙台放送局記者 伊藤奨・栗岡希)
【家庭の消費動向を調べる「家計調査」】
本題に入る前に、この調査のことを確認します。名前は「家計調査」。家庭の消費動向を総務省が調べています。都道府県庁所在地と政令指定都市の2人以上の世帯、約8000世帯を対象に前年1年間に消費に使った金額を調べて、毎年2月に公表しています。仙台市では今回85世帯が調査の対象になりました。
【仙台市「かまぼこ」が日本一に】
それによりますと、仙台市の1世帯あたりの平均の消費支出額は345万3368円。
おととし(341万54円)より4万3000円余り増えました。
このうち「かまぼこ」は8572円で全国最多。2位は長崎市で5609円、3位は富山市で4651円でした。
県などによりますと、かまぼこの支出で仙台市が日本一になるのは現在の方法で統計を取り始めた2000年以降、23年連続です。ただ、新型コロナの感染拡大前の2019年の仙台市のかまぼこの支出額は1万円を超えていて(1万1398円)、コロナ前の4分の3ほどに落ち込んでいます。
仙台市とその周辺のかまぼこメーカーなどでつくる仙台蒲鉾協同組合は「『ささかまぼこ』のブランドでほかの地域よりもお歳暮やお中元などの贈答品需要が強い。新型コロナの影響で需要は落ち込んでいたが、行動制限の緩和でこのところ回復の動きがみられる」と話しています。
【「スポーツ観覧料」「ネクタイ」なども日本一に】
仙台市が日本一になった品目はまだほかにも。
「スポーツ観覧料」
1位:仙台市6601円
2位:広島市4630円
3位:大分市3305円
「郵便料」
1位:仙台市6547円
2位:札幌市4593円
3位:神奈川県相模原市4325円
「男子靴」
1位:仙台市5155円
2位:金沢市4992円
3位:京都市4724円
「ネクタイ」
1位:仙台市1183円
2位:鳥取市1073円
3位:奈良市で857円
【デパートの紳士服売り場に聞いてみた】
「ネクタイ」と「男子靴」で使ったお金で仙台市が日本一になったことについて、仙台市内のデパートを取材しました。このデパートの紳士服売り場ではさまざまなブランドのネクタイや靴を幅広い価格帯でそろえています。
去年は新型コロナの行動制限がなくなり会社への出勤やビジネスで出張に行く機会が増えたことなどから、紳士服売り場全体の売り上げが前年より10%程度増えたということです。
その中でも、▽ネクタイは19%、▽靴も10%、それぞれ増加したとしています。
支出額が全国で最も多くなったことについて、仙台三越の秋田浩輝 紳士スポーツ担当マネジャーは「仙台の人は、保守的なところがあるのでコロナで働き方が一度変わっても、また落ち着くと元のスーツスタイルが必要になった人が多かったのではないか。ビジネスシーンではしっかりしたものが好まれる傾向がある」と話していました。
【「清酒」は2位「中華そば」「コーヒー」は3位】
日本一は逃したものの、上位に入った品目にはこんなものがありました。
「清酒」
1位:福島市9231円
2位:仙台市8868円
3位:金沢市8117円
「ゴルフ用具」
1位:金沢市5739円
2位:仙台市4661円
3位:千葉市4211円
「乳製品」
1位:山形市2万7235円
2位:千葉市2万6361円
3位:仙台市2万6343円
「中華そば」
1位:山形市1万3196円
2位:新潟市1万2573円
3位:仙台市1万2480円
「コーヒー」
1位:大津市9845円
2位:京都市9419円
3位:仙台市9361円
【「パソコン」「ヘアカラーリング剤」などは最少】
一方、仙台市が全国で最も支出が少なかった品目にはこんなものがありました。
「パソコン」
1位:前橋市2万4505円
…
50位:青森市3737円
51位:長崎市3044円
52位:仙台市2976円
(最少)
「ヘアカラーリング剤」
1位:千葉市2101円
…
50位:神戸市1083円
51位:鳥取市1045円
52位:仙台市927円
「写真撮影・プリント代」
1位:水戸市7032円
…
50位:青森市991円
51位:福井市847円
52位:仙台市666円
【仙台市の“日本一”に街の人は…】
今回の調査結果、街の人はどう受け止めたのでしょうか。
「『かまぼこ』が1位なのは、納得です。ごはんのつまみとしてよく買って食べますし、贈り物をするときに『かまぼこ』をよく使います」(仙台市の70代の男性)
「『かまぼこ』は、お中元やお歳暮で送ることはあるが、日常的に食べていなかったので1位なのは意外です。去年は子どもの写真を毎月買っていたので、『写真撮影・プリント代』が最下位なのも意外でした」(仙台市の30代の女性)
「『スポーツ観覧料』が1位なのは納得できます。去年、育英の活躍などあっていちずにがんばっているところを見ると、実際に見てみたいと思う人が多かったのではないでしょうか」(友人と買い物に来ていた仙台市の70代の女性)
今回の結果、皆さんはどう感じましたか?
意外?それとも納得?
ラーメンは山形、ギョーザは宮崎など、人々の消費動向はその時代や土地柄を表します。
結果は結果として、どうしてそうなったのか、その理由を想像してみるのも面白いかもしれません。
伊藤奨
2016年入局
仙台市出身
くらし・経済取材担当
ラーメンには
年間3万円以上消費する
栗岡希
2021年入局
兵庫県出身
週末は街に出て
服や靴などよく見る
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