東北電力 電気料金値上げ「自由料金」って何?

歴史的な物価の上昇が続く中、生活に身近な電気料金の値上げに注目が集まっています。
こうした中、オール電化向けなど「自由料金」と呼ばれる一部の料金プランでは、ほかに先行して値上げが始まっています。経済担当の伊藤奨記者が解説します。


 

【緑のダイレクトメールに注目】

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Q)先月、東北電力から値上げについてのダイレクトメール(DM)が届きました。
伊藤)そうですか。はがきや封書の色に注目してみてください。
電気料金の料金形態は2つあって、DMが「青」だった場合は、国が認めなければ値上げできない「規制料金」の契約者。一方「緑」だった場合には、電力会社が自由に料金を設定できる「自由料金」の契約者です。いずれもことし4月から値上げが予定されていますが、実は「自由料金」は先行して値上げが始まっています。

 

【自由料金は先行して値上げに】

Q)すでに値上げされている?どういうことですか。
伊藤)電気料金は天然ガスなど燃料価格の上昇が料金に反映される仕組みですが、自由料金では反映できる上限を会社が決めていました。ただ、燃料価格の高止まりで調達コストがかさんだ状態が続いたため、東北電力は自由料金について、去年12月の請求分から上限を撤廃しています。

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Q)具体的にはどれほど上がっているのでしょうか。
伊藤)東北電力によりますと、オール電化の住宅の平均的なケース(※)の場合、(※「よりそう+ナイト8」で契約容量12kVA、使用量2050kWhでうち夜間の使用量は1851kWh)去年11月は支払額が4万2680円だったものが、翌12月には1万8000円余り上がって6万1335円になりました。さらに4月から割安だった夜間料金が引き上げられることなどで、5月の支払いからはさらに1万円余り、率にして2割近く(18.65%)上がって7万2773円になります。

 

【政府の対策でも割高に】

Q)電気料金といえば政府の負担軽減策がありますよね。
伊藤)そうです。自由料金も政府の負担軽減策は適用され、5月からの実際の支払額は5万8423円に減る見込みです。ただそれでも去年11月より高くなる計算になります。以上はオール電化の場合ですが、ガスも使う家庭や契約する料金プランによって、自由料金でも値上げ幅は大きく異なります。

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先ほどのダイレクトメールにも現在の契約プランが書かれています。(※赤で囲んだ部分)
今の契約を再確認し、家計への影響を考える機会にしてもいいかもしれません。

 


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伊藤奨
2016年入局
仙台市出身
くらし・経済取材担当



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