イチオシ!故郷愛に支えられた桜

 こんにちは。てれまさキャスターの岩間瞳です。
(ブログではすっかりご無沙汰でした、実に1年ぶり…)

「てれまさむね」のキャスターも3年目となりました。
毎日見守ってくださるみなさんに本当に感謝です。

コロナ禍も続き、日々の生活に疲れてしまうこともあると思います。
今年度も、夕方にほっとできる時間を過ごしてもらえるよう
心を込めてお伝えしますのでよろしくお願いします♪

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(やっぺぇ10周年ポスターオフショット)


そして、今月から新コーナーも!
県内出身の岩間と佐々木キャスターが
各地で見つけたイチオシをお伝えする「みやぎイチオシ!」です。

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1回目は私のふるさと・大河原町が誇る「一目千本桜」。
柴田町にまたがる白石川沿いのおよそ8キロを、
1200本ほどの桜並木が彩ります。
川に覆いかぶさるように咲く姿、
そして蔵王の残雪の白・白石川の青とのコントラストも最高です。

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東北有数の桜の名所として知られていて
私にとっても生まれた時から当たり前にあるものでしたが、
そもそも誰が植えて、誰がどう守ってきたのか知っていますか?

実は…来年で植樹から100周年なんです~!


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植えたのは大河原町出身の実業家・高山開治郎。

家族を養うため上京し、懸命に働いた末に成功しましたが
水害や冷害で苦しむふるさとに心を痛める日々でした。

「お金や食料などすぐに無くなるものではなく
 人々の心を癒し、未来に残るものを…」

そう考えた開治郎は、大正12年と昭和2年の2回にわたって
1200本もの桜の苗木を新しくできた白石川の堤防に植えました。

その願いどおり根付き花を咲かせ、桜並木は多くの人の心を癒しています。

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(ことしの一目千本桜!)


「桜を愛し、ふるさとのために未来に残したい」という思い、
今も町の人たちに受け継がれていることも分かりました。


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一目千本桜のすぐそばにある老舗の菓子店。

花の時期に合わせて30年以上前から桜スイーツを作っています。

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お花見だんごを試食!
桜の花で作った自家製の桜あんがたまりません。

3代目の中村弘一郎さんに話を聞くと、
お菓子で桜を盛り上げようとというだけではないようで…。

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(はっぴの後ろにも桜!)

「大河原町さくらの会」のメンバー!
桜の保護や観光客へのPRをしようと結成された
町民有志のグループに入って活動していました。

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「桜に支えられ商売をしてきたからこそ自らの手で桜を守っていきたい」
という言葉が印象的でした。

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おいしいお菓子とあたたかな想いをありがとうございました。

 

花をいつまでも咲かせられるよう、木を守っている人も。

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尾形政幸さんです。
地元の柴田農林高校に通っていた尾形さん。
実習で桜の剪定作業を経験したあと、教師となって母校に戻り
今度は教育の一環で桜の保護や研究に関わってきました。

なんと、桜との付き合いは50年にもなるそう…!
(そしてその間に樹木医の資格も取得しています…すごい!)

さらに、この春退職された尾形さんは
町から「一目千本桜の専門医・桜ドクターになってもらえないか」
と頼まれたのです。

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桜との縁はまだまだつながる…!

※※ちなみにソメイヨシノの樹齢は60~70年とされていて
来年で100年経つ一目千本桜は寿命を大きく超えているので
“かかりつけのお医者さん”は本当に必要なのだと
今回の取材で初めて知りました。※※


「桜ってすごい。関わるうちにどんどん魅了されていった。
 桜は人を笑顔にする花、自分のやってきたこともどんどん誇りに
 思うようになった」と尾形さん。

この桜愛はいまある並木を守るだけにとどまらず、
未来に“一目千本桜”を残そうとしています。

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新品種の開発です。
ソメイヨシノと樹齢の長い桜を交配させて8年かけて新しい品種を開発しました。

もしも今ある桜並木が寿命を迎えても、この新品種を植えれば
この先何百年も美しい景色を守れるというのです。

その名前にも思いが。

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「大河原紅桜」。

自分の桜なので、自分が好きな名前をつけていいんです。
自分の名前をつけたっていいと思います。
しかし尾形さんがつけたのは、町の名前。

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「町の人たちに共有財産として楽しんでほしい、大切にしてほしい。
 “大河原”って検索した時に一目千本桜のほかに
 紅桜が出てくればより桜の町なんだって思ってもらえる。」
と話していました。

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(ことしの大河原紅桜、可憐です♪)


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今年中の品種登録を目指しているそう。
生まれ育った町の宝を守ろうと
桜とともに生きてきた尾形さん。ありがとうございました。

一目千本桜が植えられたのも、
こうして100年先のいまに残っているのも
これからも咲き続けるだろうと思えるのも
すべて町民のふるさとを想う気持ちがあったからだと
胸が熱くなりました。

大河原町出身として、わたしも
町の桜を想い後世に伝えていこうと強く思います。

取材にご協力いただいたみなさん、
改めてありがとうございました!


追記)
今年度の目標はカメラをさわること。

コロナ禍で出かけることが減って
出番が少なくなったコンパクトデジカメ。
これからは積極的に写真を撮っていこうと意気込んでいます。
(写真がないといつ何をしたのか思い出せないというのもある…)

機会があったらブログでも公開しますので
ぜひ見てやってくださいね…!
ひとまず、今月は桜!

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