「杜の都の3人衆」が挑む全日本体操個人総合選手権

体操界は、去年の東京オリンピックで橋本大輝選手が金メダル。
内村航平選手が現役を引退した今、2年後のパリオリンピックに向け、
橋本選手を中心に、新たなスターの誕生が期待されている。
今月21~24日に東京体育館で開催される全日本体操個人総合選手権。
橋手選手や萱選手といった東京オリンピックのメダリストが多く出場する今大会に、
宮城から3人の選手が挑む。吉田選手と佐々木選手は仙台大学の大学生、神山選手は仙台大学附属明成高校に通う高校生だ。

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(左から吉田求選手、佐々木郁哉選手、神山遥人選手)

<盛岡出身・吉田求選手 手足の長さを生かしたあん馬が得意>
まずは、仙台大学1年の吉田求(よしだ・もとむ)選手。

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体操は小学2年生から地元・盛岡市のスポーツクラブで始めた。
「体操は6種目あるが、それぞれ違う筋肉を使う。飽きないし、技を決めた時の達成感がある。自分は手足が長いので、大きく見せられるあん馬が得意。鉄棒も自信がある」と話す。

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高校時代に国際大会で優勝し、全国大会でも実績を残してきた吉田選手。年代別の日本代表にも選ばれてきた。吉田選手は「大学3年生の時にパリオリンピックがある。そこでメダルを獲得したい。まずは全日本選手権で決勝に残る演技がしたい」と意気込む。

<塩釜出身・佐々木郁哉選手 東北にも僕たちがいると知って欲しい>

2人目は、仙台大学2年の佐々木郁哉(ささき・ふみや)選手だ。
仙台大学体操部で唯一の地元出身。塩釜第一中学校から仙台大学附属明成高校に進学、
宮城で地道に力をつけてきた努力家だ。

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小学校入学前、アニメでヒーローがバク転するシーンにあこがれ、体操を始めた佐々木選手。競技を始めてわずか2日ほどでバク転に成功するほど、運動神経は抜群だった。高校時代は跳馬で全国大会優勝。もっとも得意な種目だ。
「跳馬は自分の武器。高さとひねりが求められる中で、周りの目をひきつけられるような演技をし、着地をきちんとまとめることを意識している」と話す。

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同世代には、東京オリンピックの団体で銀メダルを獲得した北園丈琉選手がいる。「目指すべきライバルがいることは嬉しい。体操が強いのは関東というイメージがあるが、全日本選手権で東北にもこんな選手がいるんだということをアピールしたい」と意欲は十分だ。

<東京出身・神山遥人選手 高校生が挑む大舞台>

最後は仙台大学附属明成高校2年の神山遥人(かみやま・はると)選手。
普段は、仙台大学で大学生たちと一緒に練習を重ねている。

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神山選手は、今年3月に熊本で行われた選抜大会の個人総合で3位に輝くなど、将来有望な高校生だ。東京出身の神山選手は小学1年生の頃、親に勧められて体操を始めた。跳馬が得意な谷川航選手に憧れ、高校に入ってからも持ち味を磨いてきた。「全日本ははじめての舞台なので緊張している。ミスなく演技をし、決勝に残りたい。大きい体操をして目立つ演技をしていきたい」と話す。

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※この日は跳馬の練習は行わず。

神山選手は今の練習環境にとても満足しているという。「高校生で大学生と同じ環境で練習ができることはとても嬉しい。先輩にアドバイスをもらうこともできるし、苦手な種目を克服するチャンスにもなる」と笑顔で話す。

まもなく始まる体操の全日本個人総合選手権。
宮城から挑む「杜の都の3人衆」がどこまで自分の演技ができるのか、
東京オリンピックで活躍した選手の演技と共に期待が高まる。