"木の赤ちゃん"を育てる 苗木生産者の挑戦

樹齢300年の巨木も、はじまりは一粒の小さな種。
土から初めて芽を出した1センチに満たない“木の赤ちゃん”が成長し、
1~3年たつと「苗木」として山に植樹されているのをご存知でしょうか。

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アカマツの苗木

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スギの苗木

(写真提供:大河原地方振興事務所)

半世紀先には30メートルを超える巨木になるものも

蔵王連峰のふもとに、100種類以上の“苗木”を育てる生産者がいます。
太田清隆さんは50年以上、この小さな命と向き合ってきました。

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太田さん
「自分にとっては子どもみたいなもの。出てきた芽を見ただけでうれしくてね。やっぱり宮城の森を守っていかなくちゃいけない。未来をつくるために苗木を生産しています。」

「森に関心を持つ人が少しでも増えてほしい」と、太田さんは新しい挑戦も始めました。
若い人のアイデアから発想し、苗木を個人の観賞用として販売をすることを模索。
葉や枝を蒸して抽出した成分で、木の香りをめいっぱい楽しめるアロマウォーターも試作中です。

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太田さんの苗木に出会ったことで、日常の楽しみが増えたという人も。
購入者の勝沼さおりさんは、日に日に愛情が増している苗木を、春には庭に植えかえる予定。
「植物に対して思いをかけて育てられた3年間を引き取って育てていきたい」と話してくれました。

小さな苗木から、森や人の未来を作りたい。
自然を慈しむ気持ちが、広がっていきます。

太田さん
「少しでもみなさんに自然を自分の生活の中に取り入れてもらい、身近に感じてもらえたらそのためにうちの苗がなにかの役目を果たせたらすごくいいなと思います。」




2月2日(木)「おはよう宮城」で放送