高須クリニック院長
「偽造の指示は絶対にない」

愛知県知事のリコール・解職請求をめぐる署名偽造事件で、リコール活動団体の会長を務める美容整形外科「高須クリニック」院長の高須克弥氏の秘書など2人が、団体の事務局長とともに偽造に関与したとして、地方自治法違反の疑いで書類送検されました。高須氏はNHKの取材に対し、みずからの関与を否定しました。

愛知県の大村知事のリコール・解職請求に向けて提出された署名をめぐっては、その大半が有効と認められず、署名活動を行った団体の田中孝博事務局長(60)など3人が、去年10月下旬に佐賀市内でアルバイトを使って愛知県民の署名を偽造したとして、地方自治法違反の罪に問われています。

捜査関係者によりますと、その後の捜査で、団体の会長を務める美容整形外科「高須クリニック」院長の高須克弥氏の68歳の秘書と、50代の女性が、去年10月ごろ、田中事務局長とともに愛知県内で署名の偽造に関与した疑いがあることわかり、16日までに地方自治法違反の疑いで書類送検されました。

これについて、高須氏はNHKの取材に応じ「私はこまかい口出しをしないので、当時どういうことをやっていたのか知りません。秘書に偽造をしろと指示したことは絶対にありません。曲がったことをやるのが大嫌いですから」などと、みずからの関与を否定しました。

関係者によりますと、秘書は、みずからが役員を務める名古屋市内の会社で、愛知県民の氏名や住所を名簿から署名用紙に書き写す作業を社員数人と行い、社員に数万円の報酬を払っていたとみられるということです。

弁護士によりますと、秘書は「田中事務局長らの刑事裁判の審理に影響があるため、お答えできません」などと話しているということです。

この事件の裁判で、田中事務局長と、その次男は起訴された内容の認否を留保しています。