裁選に向け動き活発化
注目の人物の発言は

国会が事実上閉会したことを受けて、9月に行われる自民党総裁選挙に向けた動きが活発化する見通しです。6年ぶりの選挙戦になる公算が大きくなっていますが、今回の豪雨災害を受けて、党内では、立候補表明の時期はずれ込むという見方や、表立った活動は控えざるをえないという指摘も出ていて、構図が固まるのは総裁選挙の直前になることも予想されます。

安倍首相は

安倍総理大臣は、20日夜の記者会見で「立候補表明の判断は、この夏、せみしぐれを聞きながら、よく考えていきたい」と述べるにとどめましたが、地方議員らとの会合を重ねるなど、3選に強い意欲を示しています。

二階幹事長 安倍3選支持「1ミリも変わっていない」

自民党の二階幹事長は記者団に対し「長い国会だったが重要法案はすべて成立させることができた。内閣不信任決議案についても一致結束して葬り去りたいと思っていただけに、関係者の協力に感謝したい」と述べました。

一方で、二階氏は、森友学園や加計学園をめぐる問題について「難しい問題が次々と出てきて、慎重に国会運営を運ばなければならなかった。マイナスの要素があったことは事実で、大いに反省し、今後に生かしていく必要がある」と述べました。

また、二階氏は、ことし9月に行われる自民党の総裁選挙について「総理大臣を決める選挙だ。安倍政権の総括となるが、安倍総理大臣が今のところ、順調な成果を収めると確信している。私は1ミリも変わっていない」と述べ、安倍総理大臣の3選を支持する考えを重ねて示しました。

石破元幹事長「しかるべき時期に決断」

自民党の石破元幹事長は、記者団に対し「成立した法律は多いが、『納得できない』とか、『賛成できない』という人がかなり多い。多くの国民に『そうなんだ』と思ってもらえることが必要だが、森友学園や加計学園、それに官僚の不祥事の問題などで時間が取られてしまった。野党の理解を求め、多くの納得と共感のもとに、法案や予算案を成立させるために努力するのが自民党だが、今の国会運営は違うと感じる」と述べました。

そのうえで石破氏は、9月に行われる自民党総裁選挙について、「一緒にやってきた皆さんにきちんと意見を聞き、状況を見定めながら、しかるべき時期に決断したい」と述べ、今後の政治情勢を見極めながら立候補を表明する時期を決める考えを示しました。

野田総務相「優先すべきは被災地の復旧・復興」

自民党総裁選挙に立候補したいという考えを明らかにしている野田総務大臣は、国会内で記者団に対し「私の総裁選挙よりも優先すべきは、豪雨災害の被災地の復旧・復興だ。消防を預かっている責任者として、しっかりと取り組みたいと思っていて、にわかに総裁選挙に意識が切り替わることはない」と述べ、当面は災害への対応を優先する考えを示しました。

そのうえで「総裁選挙は、推薦人が20人いないと出れないので、その目標に向かって、こつこつと政策を見せるなどして、賛同いただける人たちを募っていきたい」と述べました。

岸田政調会長「適切な時期に対応を明らかにしたい」

自民党の岸田政務調査会長は記者団に対し、「働き方改革関連法を成立させるなど、さまざまな分野で成果を上げることができた。一方で、行政や政治の信頼が問われる場面があった。国会は閉会するが、政府には引き続き信頼回復に向けて努力を続けてもらわなければならない」と述べました。

また、岸田氏は、9月に行われる自民党総裁選挙について、「国会が閉会したあと、適切な時期に対応を明らかにしたい。私自身の問題、派閥としての問題、それに政治の動きなど、さまざまな要素があるので、総合的に判断しなければならない」と述べ、今後の政治情勢などを見極めて、立候補するかどうか判断する考えを改めて示しました。

小泉筆頭副幹事長「最後までしっかりと考えたい」

自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は、記者団に対し、「国会改革の実現に向けて一歩動き、思い描いた以上のうねりが生まれた。さらに前に進めるため、次の国会が大事であり、私は今国会を振り返るより、次の国会を見ている」と述べました。

また、小泉氏は、9月の自民党総裁選挙について「まだ候補者もいないし、どういう形で選挙が行われるのかもわからない。いろいろな人が立候補したあかつきには、さまざまな訴えをするだろうから、それを見るしかない。総理大臣を選ぶ大切な選挙なので、最後までしっかりと考えたい」と述べました。