外務報道官 中国報道官の
やゆ投稿を批判

福島第一原発のトリチウムなどを含む処理水の放出方針をやゆするイラストを中国外務省の報道官がツイッターに投稿したことについて、外務省の吉田外務報道官は「極めて遺憾で残念な言動だ」と批判しました。

東京電力福島第一原子力発電所のトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を国の基準を下回る濃度に薄めて海に放出する方針を政府が決めたことをめぐって、中国外務省の趙立堅報道官は、葛飾北斎の浮世絵をまねて、これをやゆするイラストをツイッターに投稿しました。

外務省の吉田朋之外務報道官は、記者会見で「国際社会に高い透明性を持って積極的に対応してきた日本側の真摯(しんし)な努力に対し、何ら科学的な根拠にも基づかず一方的かつ感情的にあおるもので極めて遺憾だ」と述べました。

そのうえで「世界に冠たる大国である中国のしかるべき立場にある人として果たして国際社会がどのように見ると思っているのか。どういう反応があろうと高い透明性を持って説明を行い、こうした残念な言動に対してはしっかり反論していきたい」と述べました。

中国の報道官 日本政府の削除要請に応じない考え

趙報道官のツイッター投稿に対し、日本政府は外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議し、削除を求めています。

趙報道官は、28日の記者会見で「日本は、予算をけちろうと、一方的に海に放出する決定をしており、極めて無責任だ」と述べ、日本政府の決定を重ねて批判しました。

そして、日本側の削除要請に応じるかどうかについて「すでにこのツイートを、みずからのアカウントでトップに表示されるように設定した」と述べ、応じない考えを示しました。

そのうえで、このイラストは中国の若いイラストレーターの作品だと説明し「正しい民意と正義の声を反映したものであり、日本政府のほうが間違った決定を削除して、謝罪すべきだ」と逆に反論しました。