ワクチン大規模接種 東京の
会場は自衛隊が運営を 首相

新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、菅総理大臣は、東京と大阪に国が開設する大規模な接種会場のうち、東京の会場について、自衛隊が設置と運営にあたるよう岸防衛大臣に指示しました。

来月24日を目標に設置し、3か月間、医師や看護師の資格を持つ自衛隊員が接種を行う方針です。

政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を加速するため、東京 大手町と大阪の中心街に大規模な接種会場を開設し、1日当たり1万人の接種が行えるよう、5月中にも運営を始める方針です。

これについて菅総理大臣は、閣議のあと岸防衛大臣と会談し、東京 大手町の会場について自衛隊が設置と運営にあたり、来月24日を目標に設置し、3か月間、運営するよう指示しました。

接種は、医師や看護師の資格を持つ自衛隊員が行う方針で、大阪の会場についても、自衛隊が設置や運営などの支援を行うことで、今後、具体的な調整を進めるということです。

岸防衛大臣は、閣議のあと記者団に対し「菅総理大臣から『防衛省・自衛隊は、わが国最後のとりでであり、国家の危機管理上、重大な課題に対して、役割を十分に果たしてもらいたい』と指示を受けた。きょう午後、省内で会議を行って必要な準備を速やかに進め、早期に運営すべく詳細を詰めていく」と述べました。

岸防衛相 準備加速を指示

岸大臣は、防衛省の幹部会議で中山副大臣をトップとする対策本部を立ち上げたうえで「国民の命と暮らしを守り抜くことが自衛隊の最大の使命だと自覚し、速やかに準備を開始してほしい」と述べ準備を加速させるよう指示しました。

会議のあと、岸大臣は記者団に対し「首都圏の1都3県で感染拡大が継続した場合、他の地域への影響は大きい。ワクチンが可及的速やかに接種されるようにしたい」と述べました。

河野規制改革相「接種のスピードあげることは非常に重要」

河野規制改革担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「首都圏には多くの高齢者が住んでいて、ワクチン接種のスピードをあげることは非常に重要だ。大阪でも、適切な支援を検討するよう指示があったので、防衛省としっかり調整したい」と述べました。

加藤官房長官「国としても強力に後押し」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「菅総理大臣から岸防衛大臣に対し、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県におけるワクチン接種を国としても強力に後押しするべく、自衛隊の医官や看護官などを活用した大規模接種センターを東京都に設置し、同様に人口が集中し、感染拡大が顕著である大阪府を中心とする地域を対象として適切な支援も行うよう指示があった。これ以外の地域は現在、想定していない」と述べました。

そのうえで、記者団が「他県から東京に移動する際の感染リスクはないのか」と質問したのに対し「予防接種の意義は大変重要で、そうしたことを踏まえつつ、感染防止等に十分配慮しながら実施していきたい」と述べました。

自民 二階幹事長「大いに期待 見守っていきたい」

自民党の二階幹事長は、記者会見で「政府は、できる範囲で懸命に努力している。しっかりやってもらいたいし、大いに期待して見守っていきたい」と述べました。

立民 福山幹事長「唐突で行きあたりばったりと危惧」

立憲民主党の福山幹事長は、記者会見で「唐突で行きあたりばったりではないかという危惧を持たざるをえない。東京の接種会場は、近隣3県も対象に含むようだが、高齢者の移動の方法などが明らかでない。新たな混乱を生み出すことがないよう、どのように対応するのか国会審議でも明らかにしていきたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「なぜ東京と大阪だけ国が主導」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、会派の代議士会で「なぜ東京と大阪だけ国が主導するのか。まさか東京都議会議員選挙に向けた対策ではないか。パフォーマンスはもうやめてほしい。ワクチン接種は効率的に根拠を持って対応するのが政府の責任で、今後、厳しく追及していく」と述べました。

公明 山口代表「接種スピード促進に期待」

公明党の山口代表は、記者会見で「自治体の負担を軽くする効果や接種スピードの促進が期待できる。一方で、会場へのアクセスの円滑性をどう確保するかが課題になり、政府は混乱を招かないような、わかりやすい説明と利便性の提供に努めてもらいたい」と述べました。

東京都の小池知事「国と必要な連携」

東京都の小池知事は都庁で記者団に対し「ワクチンを接種することが、ウイルスに対抗する現時点での唯一の方法で、やはり決め手になる。スピード感を確保するためにも国と必要な連携をとっていくことが、都民の命や安全、健康を守っていくことにつながる」と述べました。