リコール署名「事務局長が
指示」証言 事務局長は否定

愛知県の大村知事のリコール・解職請求に向けた署名が偽造された疑いがある問題で、署名集めを行った男性が「リコール活動団体の事務局長の指示で、誤りがあるという署名簿を新しい署名用紙に書き写し、自分の指印を押した」などと証言しました。事務局長は「そのような指示はしていない」としています。

愛知県の大村知事のリコール・解職請求に向けて提出されたおよそ43万5000人分の署名のうち83%が有効と認められず、警察は大量の署名が偽造された疑いがあるとして地方自治法違反の疑いで捜査を進めています。

署名簿の一部をめぐっては、佐賀市内に集められたアルバイトが名前や住所が書かれた名簿を書き写したとされていますが、署名集めを行う「受任者」として活動した男性が取材に応じました。

この中で男性は佐賀で大量に偽造されたという署名簿とは別に「リコール活動団体の田中孝博事務局長の指示で不備があるという署名簿を100枚ほどの署名用紙に書き写し、自分の指印を押した」などと証言しました。

男性によりますと署名提出前の去年11月はじめごろ、署名の書き方に誤りがあるものや押印がないものが大量に見つかり市内の団体の事務所で田中事務局長から「手直しをする」と言われ、別の新しい署名用紙に書き写して指印を押したり、押印がない署名に指印を押したりしたということです。

代わりに署名したり指印を押したりするには病気などを理由に署名ができない本人からの委任が必要で、男性は「委任についての説明はなく事務局長の『有効かは選管が決める』という話を聞いて当時は悪いと思わなかった」と話しました。

これについて田中事務局長はNHKの取材に対し「誤りのある署名簿が見つかり『もったいないので書き写してはどうか』という意見はでたがそのまま提出した。手直しなどの指示はしていない」と話しています。