計理事長会見「もっと早く
できなかったのか」中村知事

加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、加計理事長が19日、報道陣の取材に初めて応じたことについて、愛媛県の中村知事は「民間の会社であれば早く対応するのが危機管理上の鉄則だ。もっと早くできなかったのかと思う」と述べて、その対応を批判しました。

また、愛媛県などに対して、実際にはなかったとする総理大臣との面会情報を学園側が与えたことに関し、加計理事長が謝罪する意向を示したことについては、「もうすでに学園は謝罪に来ているので、そこにこだわる必要はない。それ以上に世間にいかにして納得しうる説明をするかが学園のためにもなると思う」と話しました。

さらに記者団が、「国会でこの先も加計学園についての議論をする必要があると思うか」と質問すると、中村知事は、「安倍総理大臣が『膿(うみ)を出す』ということを言っているので、そのとおりやればいいと思う」と述べました。

今治市長「理事長を信じる」

今治市の菅市長は記者会見で、「理事長本人が言っていることを信じる」と述べました。

この中で菅市長は、加計理事長が一連の問題が明らかになったあと初めて取材に応じたことについて「学園の信頼回復のためにもできるだけ早く、対応してほしいと願っていたが、理事長みずから会見したことを評価したい」と述べました。

さらに加計理事長が、愛媛県の文書に記されていた3年前の安倍総理大臣との面会を「記憶にもないし、記録にもなかった」と述べて否定したことについては「理事長本人が言っていることなのでわれわれは信じる。それに尽きると思う」と述べました。

「職員としては不安」

加計理事長の19日の会見について学園の現役教員は「やっと出てきてくれたというのが正直な感想です。ただ、もう少しきちんと安倍総理大臣と面会していないという証拠を出してほしかったです。『記憶がない、記録がない』とだけ言われると職員としては不安です。なぜ、うそまでつかなければいけなかったかきちんと説明してほしい」と話していました。