衆院予算委 コロナ対策や
ワクチン接種めぐり論戦

国会では15日、衆議院予算委員会で集中審議が行われ、新型コロナウイルス対策やワクチンの接種などをめぐって論戦が交わされました。

自民 山田美樹氏「接種券 住民票住所に居住していない場合は」

自民党の山田美樹氏は、ワクチンの接種について「何らかの事情で、実家など住民票がある住所と完全に縁が切れている場合、接種券を届けるすべがない」と述べ、政府の対応を問いました。

田村厚生労働大臣は「居住実態はあるが住民票がない人は、ある程度自治体も把握していると思うが、そこにいること自体を把握されると困る人は、みずから申請してもらい、接種券をもらって接種してもらうようなことも考えられる。自治体と協力しながら対応できるように進めていきたい」と述べました。

公明 岡本三成氏「まず首相が接種し国民に安心を」

公明党の岡本三成氏は「2割から3割ぐらいの人は接種を控えたいと答えている世論調査も出ている。まず、菅総理大臣自身が接種し、経過も報告して、国民に安心・安全を与えてほしい」と求めました。

菅総理大臣は「国民が、みずからの判断で接種してもらえるよう、副反応や効果を含めて、科学的知見に基づいて正しい情報をわかりやすく伝えるのが政府の役割だ。私は高齢者なので、順番が来たら率先して接種したい」と述べました。

一方、接種を担当する河野規制改革担当大臣は、接種を行う場について「若い世代に接種が始まるときには、職域での接種を含めて検討していきたい」と述べました。

また、赤羽国土交通大臣は「Go Toトラベル」の再開に関連して、「実施の可否の判断や予算などを都道府県に委ねるのは、若干なじまない。感染状況が落ち着いている地域の宿泊施設を地域の住民が利用する場合に限って事業を再開することは、1つのアイデアとして検討すべきだと思う」と述べました。

立民 近藤和也氏「ワクチン1つ接種可能な回数変更」

立憲民主党の近藤和也氏は、ファイザーなどが開発したワクチンの1つの容器で可能な接種の回数について「6回打てるという話だったのが先週5回しかできないとなったが、これでは現場は混乱する」と政府の対応をただしました。

河野大臣は「日本で調達している針とシリンジでは5回しかとれないということで自治体に知らせたが、非常に重要なワクチンなので廃棄となっては大変だ。6回とれるシリンジなどを調達すべく努力していて、それができれば回数に変更はなくなる」と述べました。

また、田村大臣は「ファイザーとは『1億4400万回』という何回分という契約をしている。どうしていくかという議論の最中だ」と述べました。

共産 畑野君枝氏「男女共同参画基本計画について」

共産党の畑野君枝氏は、去年12月にまとめられた男女共同参画基本計画について「2020年代の可能なかぎり早期に、指導的地位に占める女性の割合が30%程度になるよう目指すとしているが、前の計画に比べて時期があいまいだ。この水準でよいのか」とただしました。

菅総理大臣は「2020年までに30%にするという前の目標達成が厳しいことは率直に反省すべきだ。2020年代の可能なかぎり早期に、30%程度になるよう政府一丸となって取り組みたい」と述べました。

維新 浦野靖人氏「収入に見合った事業者支援を」

日本維新の会の浦野靖人氏は、事業者への支援について「支援の格差は問題で、是正できないと倒産や廃業がまだまだ増えていくのではないか。収入に見合った支援の仕組みをつくるべきだ」と求めました。

西村経済再生担当大臣は「諸外国の規模に応じた支援策の仕組みも研究を進めている。家賃支援給付金などは、多寡に応じて支援する仕組みだったので、こういった経験も踏まえながら検討を進め、しかるべきタイミングで何か対応できればと考えている」と述べました。

国民 岸本周平氏「コロナ対策費用 私たちの世代で払う覚悟を」

国民民主党の岸本周平氏は「施政方針演説では、国民に負担をお願いする政策の必要性を説明し、理解してもらわなければならないと言っていたが、コロナ対策でかかるお金を、何とか私たちの世代で払う覚悟を持つべきだ」と指摘しました。

菅総理大臣は「新型コロナ対策で大量の国債を発行し、財政が悪化したことは事実だ。当面は感染の収束に全力を尽くしていくが、将来世代の負担にならないよう歳出と歳入の両面で、改革を進めていきたい」と述べました。

一方、衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男との会食をめぐって、総務省の原官房長は、長男が国家公務員倫理規程で接待などが原則禁じられている「利害関係者」にあたるかどうかを問われ「疑義があることは、否定できない」と述べました。

また、参加していた総務省の秋本情報流通行政局長は「菅総理大臣の長男とは、会食でも同席した衛星放送関連会社の子会社の社長を介して2015年以降に知己を得た。今般の事案に至り深く反省している」と述べました。

また、選択的夫婦別姓について菅総理大臣は「家族の在り方に関わる事柄で、国民の間にさまざまな意見があることは事実だ。国民各層の意見や、国会の議論を注視して検討を進めていきたい。私の子どもについては別氏なども『結婚すれば本人たちが判断すべきだ』という考え方だ」と述べました。