森会長発言めぐり
与野党から発言相次ぐ

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の発言をめぐり、与野党からさまざまな発言が相次いでいます。

橋本五輪相「会長職留任かは組織委が判断すべき」

橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、衆議院予算委員会で「東京大会の意味するものは、多様性と協調が1つの大きな柱となっている。反省を含めて、信頼を回復し、誰もが『集いたい』と思う東京大会にするべく、全力を尽くしていきたい」と述べました。

そして、森会長が会長職にとどまるかどうかは、組織委員会が判断すべきだという考えを重ねて示したうえで「いろいろな経験をお持ちの方々の意見を聴き、これから決められていくと思う。そのもとで決められた会長と、IOCのバッハ会長、東京都の小池知事、私の4者会談が、しっかりとできるよう取り組んでいきたい」と述べました。

自民 野田氏「組織委みずから方向性を示して」

自民党の野田聖子 幹事長代行は記者会見で「政治任命ではなく人事に介入することはできないので、本人みずからが出処進退を判断するか、組織委員会で結論を出すということになる。日本そのものがミスリードされることを懸念しており、組織委員会の会合では、しっかりと多くの声を受け止めてみずから方向性を示してもらいたい」と述べました。

また、ボランティアの辞退をめぐる二階幹事長の発言について「記者会見の時に隣にいたが、言い間違いというか、うまく、伝えられなかったのではないか。今後、そういうことがないように、気をつけて会見に同席したい」と述べました。

公明 山口氏「出処進退は本人が判断すべき」

公明党の山口代表は、政府与党連絡協議会のあと、記者団に対し「出処進退は、IOC=国際オリンピック委員会や、政府の閣僚などの評価、それに世論の動向も踏まえて、本人が判断すべきことだ。またボランティアの人たちの志をきちんとくみ取って生かしていけるように大会組織委員会としても取り組むべきだ」と述べました。

共産 穀田氏「菅首相 決断できていないのは問題」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「単に森会長の発言ということにとどまらず、日本社会のありようが問われるところまで問題が発展している。菅総理大臣は、森氏を辞めさせるためのイニシアチブを取るべきで、いまだに決断できていないのは問題だ」と述べました。

また、ボランティアの辞退をめぐる自民党の二階幹事長の発言について「多くの人の大会にかける思いをないがしろにしている発言だ」と批判しました。

国民 玉木氏「菅首相 リーダーシップ発揮を」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「円滑な大会開催に向けて障害が出るのであれば、会長の辞任を含めて検討すべきだとこれまで申し上げてきたが、多くのボランティアの辞退など障害が明らかになりつつある。菅総理大臣は、リーダーシップを発揮し、メッセージを出すべきだ」と述べました。

また、ボランティアの辞退をめぐる自民党の二階幹事長の発言について「国民の思いを結集して成り立つのがオリンピックなのに、その思いをくじくもので深刻な発言だ。森会長の発言に匹敵するくらいの問題で、発言を取り消し、きちんと謝罪すべきではないか」と述べました。

社民 福島氏「辞任は菅首相が説得を」

社民党の福島党首は、記者会見で「組織のトップがあのような考え方だと、女性が社会進出したり会議で自由に発言したりすることが極めて難しい。組織委員会の会長としてまさに不適切で辞任していただかないといけない。実態は菅総理大臣が実質的な任命権者に近いとも言え、森氏と話をして説得するなり、総理大臣みずから動くべきだ」と述べました。