1都3県知事「対策緩めれば
医療崩壊の懸念」

首都圏の1都3県の知事は、新型コロナウイルスの新たな感染確認は減少傾向にあるものの、今、対策を緩めれば医療提供体制の崩壊などが懸念されるとする認識で一致し、国に対して医療機関などへの支援や、自治体への財政措置などを求めることを決めました。

東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事は、緊急事態宣言が来月7日まで延長されたことや新型コロナウイルスの特別措置法が改正されたことを受けて、オンラインで意見交換しました。

この中で1都3県の知事は、新たな感染確認は減少傾向にあるものの、重症者数は高止まりし、医療提供体制のひっ迫は長期化していて、今、対策を緩めれば医療体制の崩壊や社会経済活動の長期にわたる悪化が懸念されるとする認識で一致しました。

そのうえで、国に対して、改正特措法の施行に伴い都道府県が速やかに統一的な措置をとれるよう指針やガイドラインを直ちに示すことや、医療機関や保健所などへの支援、それに、自治体への財政措置などを求める要望を行うことを決めました。

東京 小池知事「連携し実効性ある対策講じていきたい」

東京都の小池知事は「感染の確認は抑えられつつあるが『これでもういいんだ』として緩めてしまうとせっかくここまで多額の金を使い、協力をいただいてきたのに、また元に戻ってしまう。1都3県で連携して実効性のある対策を講じていきたい。力を合わせてコロナとの戦いを乗り越えていきましょう」と述べました。

神奈川 黒岩知事「解除の時期は同時が望ましい」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議が行われ、神奈川県の黒岩知事は、緊急事態宣言の解除の時期について生活圏が同じ、1都3県で同時に行うのが望ましいという考えを示しました。

テレビ会議の中で、黒岩知事は、新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正を受け、飲食店に営業時間の変更を命令したり、応じないときに行政罰を課したりする場合や要請に応じた事業者に財政的な支援を行う場合の具体的なガイドラインを国が早急に示すよう求める必要があると述べました。

また、黒岩知事は、緊急事態宣言の解除の時期については、生活圏が同じ1都3県で同時に行うのが望ましいという考えを示しました。

黒岩知事は会議のあと「感染者は減ってきているが、いつ増加するとも限らず、まだ安心できる状況ではない。県民に協力してもらいながら引き続き対策を進めていきたい」と話していました。

千葉 森田知事「高齢者施設の職員の一斉検査を」

東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県の知事によるテレビ会議で、千葉県の森田知事は県内の感染状況について、直近1週間の1日当たりの平均感染者数がおよそ240人で、病床稼働率もおよそ70%という状況で「まさしく医療崩壊に近づいている」と述べました。

また、千葉市内に軽症の高齢者などの受け入れを行う臨時医療施設を、5日から開設し、症状が回復したあとに、リハビリなどが必要な患者の転院先となる病院を確保したことを紹介したうえで「高齢者施設の職員を対象に一斉の検査の準備を速やかに進めていきたい」と述べました。

さらに、現在、テレワークの実施状況について、県内の企業を対象としたアンケート調査を行っていて、結果を踏まえて、今後どう県として働きかけていくか、検討していきたいと述べました。

埼玉 大野知事「変異ウイルスへの対策強化を」

5日開かれた1都3県の知事によるテレビ会議で埼玉県の大野知事は県内でも感染が確認されている変異した新型コロナウイルスへの対応について「すでに水際対策の時期は過ぎていて、広く市中での感染がまん延していると考えて対策するべき時期にきていると思う」としたうえで「国として感染力の変化や特性、それに後遺症など変異ウイルスについての科学的専門的な検討を早急にお願いしたい」と述べ、変異ウイルスへの対策の強化を求める考えを示しました。