「卒業後3年は新卒扱いで」
政府が経済4団体に要請

新型コロナウイルスの影響を受けている学生の就職活動を支援するため、萩生田文部科学大臣など関係大臣は、経済4団体に対し、卒業後少なくとも3年以内は新卒扱いとする国の指針を踏まえた対応を要請しました。

学生の就職活動をめぐっては、新型コロナウイルスの影響で、企業説明会が延期や中止になったり、企業の採用選考活動が取りやめになったりするなどの影響が出ています。

こうした中、萩生田文部科学大臣や田村厚生労働大臣、坂本一億総活躍担当大臣などは27日、東京都内のホテルで日本経団連=日本経済団体連合会など経済4団体の幹部と面会し、卒業後少なくとも3年以内は新卒扱いとする国の指針を踏まえた対応を文書で要請しました。

この中で、萩生田文部科学大臣は「新型コロナウイルスの影響で、意欲や能力のある若者が就職の機会を失い、夢や希望を奪われることがないよう、改めて柔軟な対応をお願いしたい」と述べました。

これに対し、日本経団連の冨田哲郎副会長は「新型コロナウイルスの影響で非常に厳しい環境に置かれている企業があるのは事実だが、安定した採用を続けるのも一つの非常に大きな戦略だ。本日の要請については徹底したい」と応じました。

田村厚労相「中長期的な視点で採用活動を」

要請のあと、田村厚生労働大臣は、記者団に対し「感染がある程度、収束してくれば経済は大きく動き、労働力が必要になってくるため中長期的な視点で採用活動をお願いしたい。第2の就職氷河期世代を作らないためにも、厚生労働省としても、しっかり支援するので、まだ内定が決まっていない人たちは、最後まで諦めずに全力を尽くしてほしい」と述べました。

日本商工会議所 三村会頭 「学生や学校にも浸透を」

日本商工会議所の三村会頭は、要請を受けたあと記者団に対して、「人手不足を経験している企業にとっていい人材を採用する一つのチャンスが来たと思っている。今回の要請が経済界だけでなく、学生や学校にも浸透すればよいと思っている」と述べ、協力する考えを示しました。