黒い雨「区域拡大検討は科学
的知見で判断」田村厚労相

広島に原爆が投下された直後に、放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びて、健康被害を受けたと住民たちが訴えた裁判をめぐり、田村厚生労働大臣は援護を受けられる区域の拡大の検討にあたっては、科学的知見を踏まえて判断する考えを示しました。

広島に原爆が投下された直後に、放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びて、健康被害を受けたと住民たちが訴えた裁判では、広島市と広島県は国からの要請も踏まえ、全員を被爆者と認めた広島地方裁判所の判決を受け入れず、控訴しました。

そして、政府は援護を受けられる区域の拡大も視野に、被爆者の支援策の検討を進めています。

これについて、田村厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「どのように雨が降った可能性があるかも含めて、AI=人工知能やスーパーコンピューターを使いながら再検証する中で、科学的知見に基づき、どういう人たちやエリアが対象になるか、再度、検討する」と述べ、科学的知見を踏まえて判断する考えを示しました。

そのうえで「気象学や疫学、統計学、放射線物理学など、さまざまな人と意見を交換させてもらう中で、検証していきたい」と述べました。