「調査で退職金額も」
麻生氏 自身進退は考えず

福田事務次官の辞任について麻生副総理兼財務大臣は閣議のあと記者団に、今後の調査で懲戒処分に相当するセクハラ行為があったと判断した場合は、福田次官の退職金を減額する考えを示しました。一方、記者団にみずからの任命責任を問われたのに対して、今の段階で進退は考えていないと述べました。

この中で麻生副総理は、福田次官の辞任について「事務方のトップが自身のセクハラ疑惑などによって辞任することになったのははなはだ遺憾だ」と述べました。

また麻生副総理は福田次官への退職金の支払いは当面、留保して調査を進める方針を示し「今後の調査で懲戒処分に相当すると判断された場合は、処分に相当する金額を退職金から差し引くことを伝え、本人も了承している」と述べました。

さらに今後の福田次官に対する調査や処分について、麻生副総理は「週刊誌の報道だけでセクハラがあったと認定し、それで退職金を減額というのはいかがなものか。はめられて訴えられているのではないかといったいろいろな意見もある」と述べました。

そのうえで福田次官と、女性社員がセクハラを受けたと公表したテレビ朝日、双方から話を聞かなければ判断できないという考えを強調しました。

一方、記者団が「任命責任があるのではないか」とただしたのに対して、麻生副総理は「今の段階で私の進退について考えているわけではない」と述べました。

菅官房長官「事実解明し処分を」

菅官房長官は閣議の後の記者会見で、「セクハラ疑惑で辞職する事態に至り、甚だ遺憾だ。麻生副総理兼財務大臣の指導のもとで調査が行われており、財務省で早急に事実関係を解明し、その結果に応じて福田事務次官に対しても処分が行われるものと承知している」と述べました。

そのうえで、財務省と国税庁の官僚トップが相次いで辞任したことについて、「国税庁でも混乱が生じているということはないと聞いている。財務省の事務次官や国税庁長官の人事にかかることは麻生大臣が適切に対応する」と述べました。

また、野党側が麻生副総理の辞任を求めていることについて、「麻生大臣には、国民から厳しい視線が注がれている財務省の陣頭に立って、信頼回復に努めてほしい」と述べました。

世耕経産相「誠に遺憾」

財務省の福田事務次官の辞任について、世耕経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「誠に遺憾だ。国民から厳しい目が向けられていることを重く受け止めて、今後一層の緊張感を持って行政の信頼回復に取り組んでいく必要がある」と述べました。
また、記者団の「調査の結論が出ないまま福田事務次官の辞任を認めたことは国民の理解を得られるか」という質問に対して、「財務省の判断であり人事についてのコメントは控えたい」と述べました。

齋藤農相「国民が判断」

財務省の福田事務次官の辞任について、齋藤農林水産大臣は、閣議のあとの記者会見で「この件は両者の主張がずいぶんと対立しているし、他省の件なのでコメントは差し控えたい」と述べました。
また、記者団の「国民の納得を得られる対応と思うか」という質問に、「財務省の判断に対していいとか悪いとかのコメントは控えたいが、国民の皆さんが判断されるのではないか」と述べました。