陸自日報問題「大臣指示や
国会議論の認識なし」課長

陸上自衛隊のイラク派遣の日報が去年3月に見つかったのに防衛大臣らに報告されていなかった問題で、担当部署の課長は、この日報の存在について、「大臣から調査の指示が出されていたことや、国会で議論になっているという認識がなかった」と話していることがわかりました。陸上自衛隊は、詳しい経緯の調査を急ぐことにしています。

イラク派遣の日報は、去年3月の時点で陸上自衛隊の研究本部で見つかっていたにもかかわらず、1年以上にわたって防衛大臣らに報告されていなかったことが4日、明らかになりました。

当時は、南スーダンのPKO部隊の日報問題を受けて、特別防衛監察が行われていましたが、陸上自衛隊によりますと、日報が見つかった研究本部の教訓課の課長は「イラク派遣の日報まで大臣から調査の指示が出されていたことや、国会で議論になっているという認識がなかった」と話していることがわかったということです。

この調査については、当時の稲田防衛大臣が指示し、統合幕僚監部から陸上幕僚監部を経て、研究本部に伝えられましたが、このときに誰がどのように研究本部に伝えたかは、まだ確認できていないということです。

陸上自衛隊トップの山崎幸二陸上幕僚長は、5日の定例会見で「陸上自衛隊だけでなく、防衛省・自衛隊全体に対する国民の信頼を揺るがす事態となったことについて深くおわび申し上げます」と謝罪したうえで、詳しい経緯の調査を急ぐ考えを示しました。