国の造船支援 WTO
ルール違反”日本が協議要請

韓国政府が自国の造船会社に対して手厚い支援を続けているのはWTO=世界貿易機関のルールに違反しているとして日本政府は、対応の是正を求めてWTOへの提訴の前提となる2国間の協議を改めて開くよう韓国側に要請しました。

韓国政府が経営危機に陥った大手造船会社に1兆2000億円に上る公的資金を投入するなど自国の造船各社に手厚い支援を行っているのは、船舶市場の価格をゆがめるとして、日本政府は、韓国側に対応の是正を求めています。

日韓両政府は、おととし12月、WTOの小委員会への提訴の前提となる2国間の協議を行いましたが、韓国側は、WTOのルールには違反していないと主張し、折り合いませんでした。

その後も韓国の政府系金融機関が1000億円規模の追加の資金を投入する方針を発表するなど対応は是正されていないということです。

日韓関係の悪化もあって日本政府は、この問題について慎重に検討してきましたが、韓国側の対応はWTOのルールに違反しているとして改めて2国間協議を開くよう31日、要請しました。

日本政府としては、協議の場で改めて対応の是正を求めていく方針です。

韓国「日本の主張に根拠なし」

これについて韓国の産業通商資源省はコメントを発表し、「日本の主張には根拠がなく、われわれの措置が国際規範に合致していることを 説明するなど、WTOの紛争解決手続きに従って、日本が提起した問題に積極的に対応していく」としています。