マルタ 記者殺害めぐり
閣僚ら辞任 首相にも…
おととし、地中海の島国マルタでジャーナリストの女性が殺害された事件を巡って、警察に事情を聴かれている首相首席補佐官や閣僚が辞任に追い込まれるなど政権の中枢に捜査が及んでいて、ムスカット首相に対しても辞任を求める声が広がっています。
マルタのジャーナリスト、ダフネ・カルアナガリチアさんは(当時53歳)ムスカット首相の親族による資金隠しの疑いを報じるなど30年にわたって調査報道を続けていましたが、おととし10月、車に仕掛けられた爆弾で殺害されました。
事件をめぐり、現地メディアは26日、シェンブリ首相首席補佐官が警察から事情を聴かれていると報じ、ムスカット首相はシェンブリ氏が辞任したことを明らかにしました。
また、現地メディアはミッツィ観光相も事件に関連して辞任に追い込まれたと伝えています。
さらに事件後に実行犯とされる男と接触していたと伝えられていたカルドーナ経済相も警察に情報提供を求められていて、捜査が終結するまで職務を自粛すると発表しました。
捜査が政権の中枢にまで及んでいることを受けて、首都バレッタでは26日夜、大勢の市民が議会を取り囲み、ムスカット首相も責任を取って辞任すべきだと訴えました。
事件をめぐっては、鍵を握るとされる男が今月逮捕され、捜査に協力する意向を示したほか、20日には実業家の男も拘束されるなど、発生から2年余りをへて捜査が大きく動き始めています。