生田文科相 英語民間
試験で必要な対応検討の考え

萩生田文部科学大臣は、衆議院文部科学委員会で、大学入学共通テストで導入される英語の民間試験について、受験生が近くで受験できる環境を整えるため、高校を使った試験会場を確保するよう協力を求めることなども含め、必要な対応を検討する考えを示しました。

30日の衆議院文部科学委員会では、大学入学共通テストに導入される英語の民間試験をめぐって、与野党の質疑が行われ、冒頭、萩生田文部科学大臣は「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」などと発言したことについて、重ねて陳謝したうえで、受験生などの不安の解消に努める考えを示しました。

このあと自民党の馳 元文部科学大臣は、英語の民間試験について、「円滑に進めるうえで各都道府県の公共施設、とりわけ公立高校の場所の提供や、採点者や監督者を含め、教職員の協力を仰ぐことが妥当ではないか」と指摘しました。

これに対し、萩生田大臣は「できるだけ受験生の皆さんが近くで受験できる環境をつくることが必要だ。高校の校舎についても、都道府県によっては、すでに取り組んでいるところもあるので、よく状況を見ながら必要な要請をしていきたい」と述べました。

そのうえで「高校を使ううえで、試験監督などのサポートで慣れている人たちに参加してもらうことも必要だ。文部科学省から先生を前提にお願いすることは考えていないが、希望してやって頂ける先生方は兼業ができるような仕組みをしっかり確保していきたい」と述べました。

立憲民主党の川内博史氏は「地方や経済的に恵まれない多数の受験生にとっては、このまま突っ込むと悪い混乱になる。さらに不安や混乱が拡大するようであれば、立ち止まることを考えてはいかがか」と、ただしました。

これに対し、萩生田大臣は「基本的には円滑な実施に向けて全力で取り組みたいと思っている。ただし、具体的に改善しなければならないと答えている内容は、11月以降の試験会場が出てこないと、進められるか、進められないか分からない部分がある」と述べました。

そのうえで「大事なことは、受験生の皆さんが不安なく、試験の準備ができることだ。解決できそうな事柄は、きちんと対応できるよう全力で努力をしていきたいが、仮に今の状況より混乱が進むような事態が新たに確認できるようなことになれば、考えなくてはならないという気持ちもある」と述べました。

一方、30日の委員会では、英語の民間試験などをめぐって、来月5日に参考人質疑を行うことを決めました。