国GSOMIAに基づき
日本に情報共有を要請

北朝鮮によるSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルとみられる飛しょう体の発射を受けて、韓国のチョン・ギョンドゥ(鄭景斗)国防相は来月まで有効な日韓の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」に基づき、軍事情報の共有を要請したと明らかにしました。

日本と韓国との軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」は韓国側の破棄の決定を受けて来月23日午前0時に効力を失いますが、それまでは有効で、韓国のチョン・ギョンドゥ国防相は2日午前、国会の委員会で北朝鮮による発射を受けて日本に情報共有を要請したのか質問されました。

これについてチョン国防相は「日本から要請はなかったが、韓国側が『GSOMIA』に基づいて日本に情報共有を要請したとの報告を受けている」と述べました。

韓国国防省の関係者によりますと、韓国が「GSOMIA」の破棄を決めてから情報共有を要請したのは今回が初めてだということです。

「GSOMIA」を巡っては日米韓の連携を重視するアメリカが韓国に破棄の決定の見直しを求める考えを示していますが、韓国側は日本政府による輸出管理の厳格化の措置が撤回されない限り、再検討はしないという姿勢を示しています。

菅官房長官「韓国側とは適切に連携していきたい」

菅官房長官は2日午後の記者会見で、韓国側がGSOMIAに基づき、情報の共有を日本に要請したと明らかにしたことについて「韓国側とは適切に連携していきたいと考えているが、個別の事案の具体的な対応は控えたい」と述べるにとどめました。

また、協定の効力が来月まで続くことを踏まえ、今後の対応を問われたのに対し「予断を持って答えるのは控えるが、さまざまな問題での一貫した立場に基づき、引き続き韓国側に対し賢明な対応を強く求めていきたい」と述べました。

一方、アメリカのトランプ大統領が短距離弾道ミサイルの発射は問題視しない姿勢を示していることについては「日米間ではさまざまなレベルで緊密なやりとりを行いつつ、政策をすりあわせている。今後も朝鮮半島の非核化に向けて米朝プロセスを後押ししつつ、国連安保理決議を完全に履行すべく米国はじめ国際社会と連携していきたい」と述べました。

さらに、菅官房長官は今回の弾道ミサイルについて、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルかどうかなど詳しい分析は現在も続いているとした上で、最終的な確定までには時間がかかるという認識を示しました。