国向けのフッ化水素
輸出減少「想定の範囲」

先月、韓国向けの輸出で半導体などの製造に使われる「フッ化水素」が大きく減少したことについて、世耕経済産業大臣は、一時的な減少は想定の範囲内で、許可が出るのに伴って輸出量は次第に回復していくという見通しを示しました。

先月の貿易統計では、半導体などの原材料のうち「フッ化水素」の韓国向けの輸出量が、前の月より80%余り減って、大幅な減少となりました。

高純度のフッ化水素は、先月4日以降、軍事転用を防ぐため輸出管理が厳しくされた3つの品目のひとつです。

これについて、世耕経済産業大臣は30日の閣議のあとの記者会見で「輸出管理を厳しくした先月4日以前に個別許可が出ていた企業の輸出だけになるので、一時的に輸出量が減少するのは当たり前で、想定内の範囲だ」と述べました。

またフッ化水素の輸出をめぐっては、韓国メディアが韓国政府関係者の話として29日、初めて許可されたと伝えています。

これについて、世耕大臣は民間企業が関連する情報なのでコメントしないとしたうえで、「今回の運用見直しは、禁輸ではなく、あくまで軍事転用させない観点から行っているもので、確認ができれば許可を出す方針だ。新たに許可を得た企業が輸出を開始すれば、輸出量は回復すると考えている」と述べました。