NF失効受け広島で
国際会議が緊急アピール

被爆地の広島で開かれた各国の専門家が核兵器廃絶の道筋を話し合う「ひろしまラウンドテーブル」はアメリカとロシアのINF=中距離核ミサイルの全廃条約が失効したことを受けて、すべての国に最大限の抑制を行うことを強く求めるなどとした緊急アピールを発表しました。

「ひろしまラウンドテーブル」は広島県が毎年、開いていて、ことしは広島市中区の会場で21日と22日の2日間、日本をはじめアメリカや中国、韓国などの専門家20人余りが核兵器廃絶の道筋を話し合いました。

その結果、アメリカとロシアの核軍縮の柱の1つとなってきた歴史的な条約、INF=中距離核ミサイルの全廃条約が今月2日に失効したことを受けて緊急アピールを発表しました。

アピールでは「核兵器使用のリスクが高まり、核軍縮を取り巻く状況の継続的な悪化や核不拡散体制の信頼性と有効性が損なわれる危機を深く憂慮している」としています。

そのうえで中距離ミサイルについてすべての国に対し最大限の抑制を行うことや、相互に抑制するためのすべての可能性を検討することを強く求めるとしています。

広島県はこの緊急アピールを日本をはじめ世界各国の外交当局の責任者に送るなどして実現を働きかけることにしています。

広島県の湯崎知事は記者会見で「核軍縮をめぐる状況が非常に厳しいなか、世界各国の知恵を集め、この危機を乗り越えなければならない」述べました。