野古沖埋め立て県民投票
宮古島市は「実施しない」

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画に伴う名護市辺野古沖の埋め立ての賛否を問う県民投票について、宮古島市の下地敏彦市長は、市議会で必要な予算が認められなかったことを理由に県民投票を実施しない意向を明らかにしました。県内の自治体で、県民投票を実施しない意向を表明したのは宮古島市が初めてです。

来年2月に行われる名護市辺野古沖の埋め立ての賛否を問う県民投票は、県内の市町村議会で投票の事務に必要な経費を盛り込んだ補正予算案の審議が行われています。

このうち宮古島市議会では、最終日の18日、本会議で県民投票に関する部分を削除した補正予算案の修正案が、与党側の賛成多数で可決されました。

下地市長は審議のやり直しを求めて再議となりましたが、県民投票に必要な予算は認められませんでした。

このあと下地市長は記者会見を開き「議会の合意を得て市政運営をするのが当然で、住民から選ばれた議員による議決は大変重い。議決を尊重して対処する」と述べ、宮古島市では県民投票を実施しない意向を明らかにしました。

県内では浦添市や与那国町の議会でも、県民投票に必要な予算案が認められていませんが、県民投票を実施しない意向を表明したのは宮古島市が初めてです。

玉城知事「全市町村で実施されることが重要」

沖縄県の玉城知事は「条例に基づき県や市町村は県民投票を実施する責務を有しており、すべての市町村で、県民投票が実施されることが重要だと考えている」と述べました。

そのうえで玉城知事は「宮古島市に知事公室長を派遣し、詳細を確認したうえで、今後の対応を早急に検討していきたい。住んでいる地域によって投票の機会が失われることはあってはならず、引き続き市町村と密接に連携し、すべての市町村で県民投票が円滑に実施できるよう取り組んでいく」と述べました。

石田総務相 投開票が市町村義務かは条例解釈の問題

石田総務大臣は閣議のあとの記者会見で、地方自治法で都道府県は知事が行う事務の一部を、条例によって市町村が行うことができると規定しているとしたうえで「県民投票の投開票の事務が市町村の義務にあたるかどうかは条例の解釈の問題であり、総務省としてはコメントを差し控える」と述べました。