合の悪いものを隠した
わけではない」法相が謝罪

外国人技能実習生が失踪した理由などを調査して集計した法務省の資料に誤りが見つかったことについて、山下法務大臣は「あってはならないことで、心からおわびしたい」と謝罪しました。

外国人技能実習生をめぐって、法務省は、失踪したあと去年1年間に摘発された技能実習生、およそ2900人について失踪の理由などを調査し集計した資料の中に誤りがあったことを先週、国会に明らかにしました。

これについて山下法務大臣は、記者会見で「極めて軽率な、けしからんことだ。あってはならないことで心からおわびしたい」と謝罪しました。

また「都合の悪いものを隠したわけではない」として、意図的なものではなく、集計ミスだと説明しました。

そして、これまで誤ったデータに基づく答弁もあったとして、今後の国会審議で、必要な修正を行っていく考えを示しました。

その一方で山下大臣は、外国人材の受け入れを拡大するための法案について「技能実習制度とは全く異なるものだ。人材不足はまったなしの課題であり、法案の趣旨を丁寧に説明していきたい」と述べ、理解を求めました。

自民 二階幹事長「審議推進 ミス反省を」

自民党の二階幹事長は、記者会見で「きょうの衆議院本会議で、野党から出されている法務委員長の解任決議案を粛々と否決し、法案の審議を進める方針だ。会期末も迫っているので、1日も早く審議を進めるのは当然だ」と述べました。

一方、失踪した技能実習生の調査内容を集計した法務省の資料に誤りが見つかったことについて、「政府には、しっかり答弁の準備をするよう要請してきたが、データの誤りという初歩的なミスが生じた。十分に反省し、二度と起きないよう関係者に厳重に伝えた」と述べました。

公明 山口代表「政府は肝に銘じて」

公明党の山口代表は記者会見で、「衆議院法務委員長の解任決議案を否決したうえで、どのように議論を進めるかが大事だ。野党も、どこに課題があってどうすべきなのか、建設的に議論してもらいたい」と述べました。

また、失踪した技能実習生の調査内容を集計した法務省の資料に誤りが見つかったことについて、「基礎的なデータに誤りがあっては正確な議論はできない。政府には肝に銘じて、みずからの不備・不足で審議の遅れを招かないよう強く求めたい」と述べました。