那国町 議長決まらず
選挙100回の可能性も

先月、議会が開会して以来、議長選挙が繰り返されている沖縄県の与那国町議会では、開会から1か月を超えた29日も議長が決まらず、選挙の数は98回となりました。議長選挙は30日も行われる予定で、回数が100回を超えることもありうる事態となっています。

先月9日に行われた与那国町議会議員選挙では、10人の定員に対し、議会の与党側、野党側が半数ずつを分け合う結果となり、先月28日に町議会が開会して以降、議長選挙が行われてきました。

選挙では、2人の議員が5票ずつを集める結果が繰り返され、地方自治法に基づいてくじ引きが行われても、当選した議員が辞退するため議長が決まらない状態が続き、先週までに93回の選挙が行われてきました。

選挙が始まってから1か月を超えた29日も、合わせて5回の議長選挙が行われましたが議長は決まらず、選挙の回数は98回となりました。

町は、争点の1つとなっている去年6月から不在の教育長人事を、議会の議決を経ない専決処分で決めて、事態の収拾を図ることができないか検討を進めています。

議長選挙は30日も行われる予定で、選挙の回数が100回を超えることもあり得る事態となっています。

与野党の議員は

98回目の議長選挙を終えたあと、与党系の議員は「ひと月以上議長が決まらず本当に議会とはなんぞやとおしかりを受けていて、町民の皆様には大変申し訳なく思っている。争点の1つとなっている教育長の人事案件が解決すれば与党としても前向きに考えていきたい」と話していました。

また、野党系の議員は「まず、町民におわびを申し上げたい。野党が議長になると、野党としての役割が果たせなくなってしまうと考えている。解決までもうしばらくお待ちいただきたい」と話していました。

町民「とにかく恥ずかしい」

与那国町議会の議長が決まらないことについて町の人たちからは、「恥ずかしい」といった声が聞かれました。

久部良地区の男性は「北海道まで広くニュースで知られている。県外の親戚からも与那国のニュースを見たと言われて、とにかく恥ずかしい」と話していました。

買い物帰りの女性は「早く決まってほしい、それだけです」と話していました。