参院憲法審査会 今国会初開催 野党側筆頭幹事は立民 杉尾氏

今の国会で初めてとなる参議院憲法審査会が開かれ、大規模災害や戦争などの緊急事態で選挙が行えず、衆議院議員が不在となった場合に、憲法に規定がある参議院の緊急集会で国会の機能が維持できるかなどをめぐり、各党が議論しました。

▽自民党は「緊急集会があれば大丈夫ということは問題で、憲法を改正し、議員任期の延長を認めるべきだ。また憲法には、参議院も機能不全に陥った場合の規定がなく、緊急事態条項の整備は喫緊の課題だ」と主張しました。

▽立憲民主党は「緊急集会は、緊急事態の際も民主主義を徹底させ、国民の権利を十分擁護することが根本趣旨で、その機能強化の議論を進めるべきだ。議員任期延長のための憲法改正には明確に反対する」と述べました。

▽公明党は「衆議院議員の任期延長などのため憲法を改正すべきという意見があるが、憲法に規定がある参議院の緊急集会の意義や特徴を振り返ったうえで、丁寧かつ慎重な議論が必要だ」と述べました。

▽日本維新の会は「長期にわたり緊急事態が発生した場合、緊急集会だけでは対処が困難になる。国会議員の任期を延長する緊急事態条項を設けることが必要だ」と主張しました。

▽国民民主党は「学説的に緊急集会のあり方に賛否両論があるからこそ、参議院がみずからの意思を明確にするべきだ。運営ルールを確立することが肝要だ」と述べました。

▽共産党は「東日本大震災やコロナ禍でも、緊急事態条項がないため対応できなかった事態は起きていない。憲法審査会を動かすべきではない」と主張しました。

▽れいわ新選組は「憲法審査会は、憲法違反が生じていないかを調査する役割を果たすための議論がほとんどなされていない」と指摘しました。

「今後も精力的に開催を」与党側筆頭幹事 山本 元国家公安委員長

審査会のあと、与党側の筆頭幹事を務める山本 元国家公安委員長は、記者団に対し「今国会でようやく初めて開催できて、ほっとした。国会が始まって2か月以上がたち『たびたび開催するのはおかしい』という次元の話ではないので、今後、立憲民主党の杉尾 新筆頭幹事と調整しながらぜひ精力的にやっていきたい」と述べました。

「静かな環境で議論を」野党側筆頭幹事 立民 杉尾参院議員

審査会のあと、新たに野党側の筆頭幹事を務めることになった立憲民主党の杉尾秀哉 参議院議員は、記者団に対し「衆議院が審査会を毎週開いているから参議院も毎週開かなければいけないというものではない。憲法の問題は非常に重たいので、真摯(しんし)に静かな環境でじっくりと議論できるよう努めていきたい」と述べました。