“戸籍の氏名に読みがな” 法制化へ中間試案 キラキラネームは

行政手続きなどのデジタル化を進めるため、法務大臣の諮問機関である法制審議会の部会は、戸籍の氏名に読みがなを付ける法制化に向けた中間試案をまとめました。

戸籍の氏名には漢字しか記載されておらず、行政手続きなどのデジタル化の妨げになっているとして、政府は読みがなを付ける方向で検討しています。

法制審議会の戸籍法部会は17日の会合で、法制化に向けた中間試案をまとめ、この中ではひらがな表記とカタカナ表記の両案が示されています。

そして「キラキラネーム」と呼ばれる個性的な名前など表記や読み方が多様化する中、読みがなをどの程度まで自由に認めるかをめぐり、戸籍法には規定を設けず権利の乱用がなく公序良俗に反しない範囲で認める案や、音読みや訓読み、慣用による読み方や漢字の意味と関連性が認められるものにする案、これに加え、法務省令で定めるものとする案が示されています。

また、初めて戸籍に氏名が記載される人は読みがなを記載事項とするほか、すでに戸籍に氏名が記載されている人は一定の期間内に申し出をしなければならず、申し出がない場合は市区町村長が職権で読みがなを記載するとしています。

さらに、読みがなの変更手続きについて、氏名の変更を伴わない場合は家庭裁判所の許可を得て届け出る案や、これに加え、成人してから1年以内に変更する場合は家庭裁判所の許可を得ないで届け出ることができる案などが示されています。

法制審議会の部会は、今月下旬からパブリックコメントで意見を募ったうえで、さらに検討を行って、答申をまとめることにしています。

どこまで認められる?

法務省の担当者によりますと、たとえば、「大空」を「すかい」、「騎士」を「ないと」「海」を「まりん」と読むのは、漢字の意味との関連があることから、認められるだろうとしています。

また、「光宙」を「ぴかちゅう」と読ませるのも、漢字の意味や読みから連想されることから認められる可能性があるということです。

一方で、「一郎」と書いて「たろう」と読ませたり、「高」と書いて漢字の意味とは逆の「ひくし」と読ませたりするケースは一般的に誤って読まれるおそれがあるとして、認められない可能性があるということです。