公的年金積立金運用GPIF
運用実績 過去最大の黒字

公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、昨年度、令和2年度の運用実績が過去最大のおよそ37兆8000億円の黒字になったと発表しました。

公的年金の積立金を運用しているGPIFは2日、昨年度、令和2年度の運用実績を発表しました。

それによりますと、昨年度の収益は37兆7986億円の黒字で、収益率はプラス25.15%と、いずれも過去最大となりました。

GPIFは、主要国が景気対策のために財政出動を行ったことで、国内外の株価が上がったことによるものと分析しています。

収益の内訳をみますと、
▽外国株式が20兆6658億円
▽国内株式が14兆6989億円
▽外国債券が2兆6738億円の、
それぞれ黒字となった一方、
▽国内債券は2398億円の赤字となりました。

これにより、
▽累積の収益額は95兆3363億円となり、
▽GPIFが運用する資産の総額は、ことし3月末現在で186兆1624億円となりました。

宮園雅敬理事長 「今年度は一方的な株価上昇は見込み難い」

宮園雅敬理事長は、記者会見で「25%を超える収益率は、歴史的に見ても特別に高い水準だが、今年度は一方的な株価の上昇は見込み難いので、よりきめこまやかなリスク管理をする必要がある。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済再開の機運が高まる見通しがある中、市場や政策がどう動くか注視していく必要がある」と述べました。