韓国“徴用”めぐる裁判
差し押さえ資産の鑑定書提出

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判で、原告側が差し押さえた日本製鉄の資産の鑑定書が、ことし1月に裁判所に提出されたことがわかり、資産を売却して「現金化」するのに必要な手続きが進んだ形です。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所は2018年、被告の新日鉄住金、今の日本製鉄に対し「徴用工として日本で強制的に働かされた」と訴えた韓国人4人に賠償するよう命じる判決を言い渡しました。

これについて日本政府は、1965年の日韓請求権協定に基づき解決済みだとして、国際法違反の状態を是正するよう韓国政府に求めていて、日本製鉄も賠償に応じていません。

一方、原告側は、日本製鉄が韓国国内で保有する株式を差し押さえて売却する「現金化」の手続きを進めています。

原告側の関係者によりますと、差し押さえた資産について、テグ(大邱)地方裁判所ポハン(浦項)支部が鑑定人に資産評価を委託し、ことし1月15日付けで鑑定人から鑑定書が提出されたということで「現金化」に向け必要な手続きが進んだ形です。

これに対して日本製鉄は、ことし2月と3月の2回にわたって意見書を提出したということです。

また日本製鉄は、資産の差し押さえをめぐり、去年8月に「即時抗告」を申し立て、手続きの差し止めを求めています。