東日本大震災10年
仮設住宅や災害公営住宅は今

東日本大震災から11日で10年です。一時、11万人以上が暮らしたプレハブの仮設住宅は、宮城県はすでに全員退去し、岩手県でも3月中には全員が退去する見通しです。
自宅を失った人が入居する「災害公営住宅」も、去年12月に計画済みのものはすべて完成するなど、住居面では整備が進みました。
一方、新たな住まいでは経済的な負担や、いわゆる孤立死などの問題も起きていて、入居者への継続した支援が求められています。

仮設住宅や「みなし仮設」で暮らす人は

国のまとめでは、震災後、最大で11万人余りが暮らしたプレハブの仮設住宅の入居者は、3月1日時点で、岩手県で19人、福島県で5人の合わせて24人となっています。

宮城県では去年4月に全員が退去したほか、岩手県でも3月中に全員が退去する予定です。

また、賃貸住宅を借り上げる、いわゆる「みなし仮設」には福島県を中心に全国で1640人が暮らしています。

多くは東京電力福島第一原子力発電所の事故で帰還困難区域がある福島県双葉町と大熊町からの避難者で、2つの町からの避難者の中には、今も退去のめどが立っていない人がいるとして、仮設住宅への入居は新年度も延長されます。

災害公営住宅 計画されたものはすべて完成も…

自宅を失った人にとって新たな住まいとなる災害公営住宅は、岩手県、宮城県、福島県などに合わせて3万77戸が建設されています。

原発事故による避難が続いているために調整中のものを除き、計画された住宅は去年12月にすべて完成しました。

その一方で、家賃は入居当初、低く抑えられるものの、時間の経過や収入の増加で値上がりする仕組みになっているため、生活への負担が増しているという声が出ているほか、地域のつながりが失われ、誰にもみとられずに亡くなる、いわゆる孤立死も起きていて、継続的な支援が求められています。

また、特に戸数が多い東北の各県に取材したところ、入居率は、
▽宮城県が96%、
▽岩手県が89%、
▽福島県が87%で、
一般の入居者を募集しているところもあり、高い傾向にあります。

ただ、沿岸部などで人口減少も進む中、将来的には維持管理費が自治体の財政を圧迫することも懸念され、既存の公営住宅も含め、まちづくりをどうするかも課題です。