震災支援機構から支援受けた
中小企業 事業再生完了2割

東日本大震災でいわゆる「二重ローン」を抱えた事業者を支援するため国が設立した震災支援機構から、借金の棒引きなどの支援を受けた中小企業のうち、事業の再生が完了したのは2割にとどまっているため、機構は販路の開拓など支援を強化する方針です。

東日本大震災で「二重ローン」を抱えた中小企業を支援しようと、国は、金融機関などから債権を買い取るなどして、事業の再生を支援する「東日本大震災事業者再生支援機構」を2012年に設立しました。

機構によりますと、これまでに借金の棒引きなどの支援を決めた中小企業は合わせて744社に上りますが、実際に事業再生が完了したのは160社と、全体の2割にとどまっているということです。

新型コロナウイルスの影響で売り上げが再び落ち込んでいる企業も少なくないとしています。

機構は来月末で新規の支援決定を終了しますが、再生の途上にある企業に対して販路の開拓を後押しするなど、必要な支援の強化に取り組む方針です。

機構の松崎孝夫 社長は、「取り組みは道半ばと言うより、かなりきつい坂道が待っているというのが実感だが支援決定をした事業者に寄り添い、あらゆる悩みを聞いていく。今まで以上にきめ細かい支援をして行きたい」と話しています。