イナポイント スタート
キャッシュレスでポイント

マイナンバーカードを持っている人を対象に、キャッシュレス決済で最大5000円分のポイントが還元される、「マイナポイント」の制度が1日から始まります。

マイナポイントは、消費税率引き上げに伴う景気対策の一環として、キャッシュレス決済サービスを利用した際、利用額の25%が買い物に使えるポイントとして還元される制度で、1日から始まります。

ポイント還元の上限は5000円分で、来年3月末までの期間中に、決済サービスでの買い物やチャージの合計が2万円になるまで、還元が受けられる形です。

利用するには、マイナンバーカードを使ってインターネットで事前の申し込みを行い、ポイント還元を受ける決済サービスをクレジットカードや、電子マネーなど100余りの中から1つだけ選ぶ必要があります。

総務省では、マイナンバーカードを持っていない人は、年末までに取得し、申し込みを行ってほしいと呼びかけています。

政府は、マイナポイントの制度などによって、マイナンバーカードの交付枚数が来年3月末までに6000万枚以上となると見込んでいますが、先月末までに制度の申し込みを済ませた人は370万人余りで、カードの交付枚数は2450万枚にとどまっています。

制度をめぐっては「周知が進んでいない」とか、「申し込みの手続きが複雑だ」といった指摘も出ていて、総務省では広報活動にさらに力を入れていきたいとしています。

申し込みは個人単位で

「マイナポイント」の申し込みは、マイナンバーカードを持っている人であれば、年齢や国籍に関係なく申し込むことができます。

申し込みは、個人単位で本人が行うことになっていますが、15歳未満の子どもの場合は、親などが代わりに手続きを行うこともできます。

その際、ポイントを受け取る決済サービスも親名義のものを選ぶことができますが、親が自身のポイントを受け取るために選んだ決済サービスとは、別のものにする必要があります。

制度の期間は来年3月31日までで、期間を過ぎたあとに決済サービスを利用してもポイントの還元はありませんが、取得済みのポイントは引き続き使うことができます。

申し込みの手順は

「マイナポイント」の申し込みの手順です。

申し込みには、マイナンバーカードの情報を読み取る機能があるスマートフォンかカードリーダーに接続したパソコンが必要で、スマートフォンは専用のアプリで、パソコンは専用のホームページで、それぞれ手続きを行います。

手続きは2段階で行う形となっています。

まず、マイナンバーカードの情報を読み取ったうえで、4桁の暗証番号を入力します。

暗証番号は、カードを受け取る際に自身で設定したものです。

3回連続で入力を間違えるとロックがかかってしまい、住民票がある市区町村の窓口で番号の再設定を行う必要があり、暗証番号を忘れてしまった場合も同様の手続きが必要です。

続いて、ポイントを受け取るキャッシュレス決済サービスを選びます。

対象となる決済サービスは、クレジットカード、交通系などの電子マネー、スマートフォンのQRコード決済など109種類で、選べるのは1つだけです。

選択する際は、その決済サービスのIDやセキュリティコードなどの入力が必要で、一度選択するとその後の変更はできません。

最後に、再び、マイナンバーカードを読み取り、4桁の暗証番号を入力すると手続きが完了します。

なお、申し込みに必要な機器を持っていない人は、総務省が各地に設けている「マイナポイント手続スポット」で申し込むことができます。

「スポット」は、およそ1500の市区町村の役所の窓口や郵便局、コンビニの「セブン‐イレブン」や「ローソン」の店舗、「KDDI」や「NTTドコモ」、「ソフトバンク」の携帯電話会社の販売店など、合わせて9万か所以上に設けられています。

事業者独自のキャンペーンも

「マイナポイント」の制度では、利用者がポイント還元を受けるキャッシュレス決済サービスを1つだけ選ぶことになっているため、決済サービス事業者の中には、利用者の獲得に向けて独自のキャンペーンを打ち出すところも出ています。

総務省が事業者側から聞き取ってまとめたところによりますと、制度に参加する109の決済サービスのうち、これまでにおよそ40のサービスで、独自のキャンペーンを打ち出しているということです。

キャンペーンでは、ポイントの還元率を国の25%からさらに上乗せするものや、自社の決済サービスを選んだ人に一定のポイントを提供するものなどさまざまで、詳しい内容はそれぞれの事業者のホームページなどで確認できるということです。

一方、地方自治体でも地元で制度を使った買い物をしてもらおうと、独自の対策を打ち出しているところがあります。

このうち大阪岸和田市や兵庫県三木市では、市が提携する決済サービスで市内で買い物をした場合、国の還元とは別に最大5000円分のポイントを上乗せすることにしています。

また、静岡県西伊豆町では、町内で使える独自の電子マネーで買い物をした人に最大5000円分のポイントを上乗せして還元することにしています。