岡山発 西日本豪雨5年 雨の日の運転で気をつけるポイントは?
- 2023年07月04日
雨が降ると見通しが悪くなり、追突事故が増えるほか、道路が冠水するおそれもあります。梅雨のこの時期やこれから迎える本格的な台風のシーズン、どんなことに気をつけて運転すればいいのか、ポイントをまとめました。
(岡山放送局 記者 美濃田和紅)
雨の日は追突事故が多い
警察によりますと、令和4年までの3年間、県内の人身事故は「晴れの日」が9,809件、「雨の日」が1,393件でした。このうち、「追突」が原因だったのは、「晴れの日」が33%(3,242件)だったのに対し、「雨の日」は10ポイント以上高い44%(622件)でした。
警察は、雨でぬれた路面は滑りやすく、ブレーキを踏んでから車が止まるまでの距離が長くなることが原因だとしています。そのため、ふだんより車間距離を取って、速度を落として早めのブレーキなど、ゆとりを持った運転を心がけるとともに、タイヤの溝がすり減っていないかなど点検を呼びかけています。
外出控え 無理に運転続けないで
大雨になると道路が冠水するおそがあります。JAF岡山支部は雨があまりに強い場合は外出を控え、外にいるときは無理に運転を続けず、海岸や川沿い、急な坂、高架下を通り抜けるアンダーパスなどを避けて車を止めてほしいとしています。
そして、車外に避難するときは、車検証と貴重品を持ち出し、緊急車両の妨げにならないよう、キーはつけたままがよいということです。
ヘッドライトの点灯が有効
雨が降る様子について気象庁は、1時間の雨量が20ミリ以上になると、ワイパーを速く動かしても見づらくなり、30ミリ以上になると道路が川のようになり、80ミリ以上の猛烈な雨では水しぶきで辺り一面が白くなって運転は危険、としています。
自分の車を周囲に知らせるにはヘッドライトの点灯が有効です。雨が強くなると、だんだん視界が悪くなって前を走る車に気づきにくいことから、こうした場合は、昼間であってもヘッドライトをつけ、対向車がいないときはハイビームを活用しましょう。ハイビームを使うと、ロービームに比べて遠くのものをはっきり見ることができます。
テールランプで自分の存在を伝える
ヘッドライトをつけると車の後方にあるテールランプも点灯します。テールランプで後ろから来る車に自分の存在を伝えることができます。
JAFは1時間に80ミリの猛烈な雨が降った状況を再現し、時速40キロで走る車が前方に停まる車にどこで気がつくか、実験しました。前の車のテールランプがついていると、60メートル手前で止まることができました。しかし、ついていないと、39.2メートルまで近づかないと前に車がいることに気がつきませんでした。
(JAF岡山支部・建部拓さん)
周りに見せることで自分の車に気づいてもらえる。そうすることで、より安全が確保できる
ワイパーのゴムの点検も忘れずに!
ワイパーのゴムが劣化していないか点検も必要です。JAFによりますと、ワイパーの寿命は1年程度。ゴムが劣化すると水を切ることができません。いわゆる「サポカー」は、センサーカメラが正常に機能せず、安全装置が働かないおそれもあるということです。
雨の日は相手も周りがよく見えていません。速度を落として車間距離を取り、ふだん以上に余裕を持って運転することが大切です。
(JAF岡山支部・建部拓さん)
自分が見にくいということは周りの人も見にくいということなので、晴れの日に比べて、周りとの間隔をいつもより十分とることが大切だ。そのためにもスピードを落とす必要がある。自転車や歩行者に近づく場合には、いつもの間隔だと水がはねたり、ぶつかりそうになったりするリスクが高まるので、普段よりも間隔を空けて十分余裕を持って通ってほしい。自分の周りに危険な物が近づいてこないように、ドライバー自身が仕向けていくことがいつも以上に大切になってくる