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岡山発 西日本豪雨5年 防災減災へ備えのポイント 防災士に聞く

NHK岡山「もぎたて!」
  • 2023年07月03日

西日本豪雨から7月6日で5年です。雨の時期にどのような備えが必要なのか、県内で活動する防災士にポイントを聞きました。
(岡山放送局 記者 美濃田和紅)

呼びかけるポイントは2つ

日本防災士会岡山県支部の原田純志 支部長

話を聞いたのは、日本防災士会岡山県支部の原田純志支部長です。原田さんが呼びかけるポイントは大きく2つあります。ひとつが「避難時の持ち出し袋の備え」。もうひとつが「すばやく逃げ出す心構え」です。

(日本防災士会岡山県支部・原田純志 支部長)
自分事としてどれだけイメージできるかっていうことが大事だと思う。未経験の人はなかなか難しいと思うんですけど、イメージ作りを自分の中ですることが大事

持ち出し袋は“重さに注意して”

原田支部長の持ち出し袋

1つめのポイントが「避難時の持ち出し袋の備え」。原田さんは持ち出し袋について、避難の妨げにならないよう“重さに注意して”といいます。袋の重さは、体重の約20%までとし、中に入れるのは、薬やメガネ、入れ歯など他人に借りられないものや、水や携帯トイレなど命をつなぐものを優先します。さらに、非常食や体を拭くシートなどの衛生用品、情報収集のためにラジオを入れるのもよいと言います。

(日本防災士会岡山県支部・原田純志 支部長) 
余裕があったほうが出し入れがしやすいので、もしこれから用意する人は、ちょっと大きめのバッグを用意した方がいいと思う。2泊3日の旅行に持って行くものにプラスして、災害時に必要なものを用意してもらえれば

防災士のリュックの中身は?

原田支部長の持ち出し袋の中身

原田さんのリュックサックは登山用で、サイズは65リットルです。荷物を入れた重さは8キロあります。どんなものが入っているのか、原田さんに教えてもらいました。

・・・処方箋が出ているものはもちろん、鎮痛剤など市販のものがあっても便利。
めがね・・・コンタクトを使う人は忘れやすいので特に注意を。 
500㎖の水4本・・・500㎖が便利。2ℓなど大容量のものは開封後、中身の劣化が進む。小さい500㎖のものは、リュックサックに余裕がある時「もう1本」と入れることができるので扱いやすい。
携帯トイレ・・・命をつなぐために必要。 
トイレットペーパー・・・トイレと共に必需品だが忘れやすい。芯を取って入れておくとかさばらなくてよい。
アレルギー対応クッキー・・・調理が不要。水を必要としない。簡単に糖分を補給することができる。
塩分補給用のあめ・・・調理が不要。水を必要としない。塩分を補給できる。特に夏場はおすすめ。
赤ちゃん用お尻ふき・・・肌に優しいため、1つ持っておくと便利。
ゴミ袋・・・ゴミを出す時だけでなく、緊急時に穴をあければ雨がっぱとしても役に立つ。
歯ブラシ・・・口の不衛生から病気にかかることもある。口内衛生を保つために必要。
マウスウォッシュ・・・水を使わずに口内衛生を保てるため便利。
ラジオ・・・電池で動くので停電の時も使える。スマートフォンの電波が入りにくい場所でも情報収集することができる。
スマートフォン用充電器・・・持続的に情報収集をしたり連絡を取ったりするために必要。
三つまたコンセント・・・避難所では、限られたコンセントをめぐってトラブルが発生することもある。コンパクトで、被災した人の「あってよかったもの」リストの中にも含まれる。
イヤホン・・・騒音トラブルを未然に防ぐために役に立つ。
手帳と筆記用具・・・スマートフォンなどの電子機器が使えないときの情報整理に便利。
肌着1回分とタオル・・・体がぬれたとき、冷やさないようにするために1回分でも持っておくと便利。圧縮袋に入れるとコンパクトになり、持ち運びに便利。 
空気を入れて膨らませる座布団・・・避難所で疲労が蓄積しないように。
ポンチョ・・・雨具として使えるほか、プライバシーが確保されていない場所での着替えやトイレの時に役に立つ。
折りたたみヘルメットと手袋・・・安全確保用。コンパクトに持ち運ぶことができる。
ラップフィルム・・・食器に巻きつけて使えば、食事後に洗う必要がなくなる。けがをした時、患部の固定にも使える。
給水袋・・・給水車が来たときに、まとまった量の水を確保することができる。
サコッシュ・・・貴重品を持ち運ぶのに、毎回リュックを背負う必要がなく便利。 
そのほか、あるとよいものとして次の3つを紹介してもらいました。
生理用品・・・女性の場合あるとよい。
ふだん使っているおもちゃ・本・・・長い避難所の生活で、子ども用として。
ぬいぐるみ・・・幼い子どもの安心材料に。

“4つの段階に分けて行動する習慣を”

もう一つのポイントが「すばやく逃げ出す心構え」。原田さんは「知った・分かった・できた・やった」の4つの段階に分けて考え、行動する習慣を身につけてほしいと言います。
例えば風水害。
①台風の発生と自分の住む地域にいつ影響があるかを「知った」時。
②ハザードマップなどを確認して危険性が「分かった」時。
③避難に向けた準備が「できた」時。
その3つを繰り返すと 
④早めに避難できた、つまり「やった」ということにつながります。
雨の降り方がいつもと違う。子どもやペットが怖がる。こうした違和感や気づきを大切にしてほしいと原田さんは説明します。

日本防災士会岡山県支部の原田純志 支部長

(日本防災士会岡山県支部・原田純志 支部長)
防災減災の一番大きな目的は命を守ること。そして、守った命をつなげていくということ。災害はいつ・どこで起こるか分からない。防災減災を特別なイベントごとではなくて、いかに日常に入れていくかが大切だと思う。ふだんの生活の中で、例えば、水があふれたらここはこうなるなとか、そういうふうにいかに今の生活に溶け込ませていくか。そういう考え方や心構えが必要じゃないかなと思う

  • 美濃田 和紅

    NHK岡山放送局 記者

    美濃田 和紅

    2022年入局 警察担当 大学時代に防災士の資格を取得

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