NHK所蔵の映像資料で見る岡山の水害史【西日本豪雨5年】
- 2023年06月29日
「晴れの国」として知られる岡山県ですが、2018年(平成30年)の西日本豪雨など、幾度も水害に見舞われています。NHK岡山が所蔵する、およそ15000本のテープにおさめられている映像資料から、過去の水害の記録をさかのぼって見ていきます。記憶に新しい西日本豪雨から、1934年(昭和9年)の室戸台風までを振り返ります。
①2018年(平成30年)西日本豪雨
平成に入って最も多くの犠牲者が出た水害・西日本豪雨。岡山県では、浸水と土砂災害で61人が命を落とし、3人が行方不明のままです。倉敷市真備町での浸水は深いところで5メートルを超え、県内の犠牲者の多くが「水死」でした。小田川とその支流、高梁川・旭川・砂川・岩倉川・尾坂川・高屋川、18か所で堤防が決壊しました。
②2011年(平成23年)台風12号
平成23年の台風12号は、大型でゆっくり進んだため、広範囲に雨雲がかかり続けました。多いところで400ミリ近い雨が降りました。各地で土砂崩れが相次いだほか、9000棟あまりの住宅が床上浸水や床下浸水の被害を受けました。
③2004年10月(平成16年)台風23号
平成16年10月の台風23号では、津山市などで50メートルを超える最大瞬間風速を観測しました。「広戸風」と呼ばれる突風で、スギやヒノキがなぎ倒されました。岡山県では、7人が犠牲になりました。
④2004年8月(平成16年)台風16号
平成16年の台風16号では、瀬戸内海沿岸の広い範囲で高潮の被害が出ました。玉野市の宇野港で、観測開始以来、最も高い潮位を観測。沿岸の各地で、合わせておよそ1万棟が浸水する被害を受けました。
⑤1998年(平成10年)台風10号
平成10年、岡山県に上陸した台風10号によって、吉井川流域を中心に大きな被害がでました。この大雨で県内では5人が亡くなり、1人が行方不明となりました。
⑥1990年(平成2年)台風19号
秋雨前線と台風19号により、集中豪雨になりました。岡山県では、南東部を中心に大きな被害がでて、10人が犠牲になりました。
⑦1976年(昭和51年)台風17号
台風と秋雨沿線による集中豪雨が岡山県をおそいました。県南東部では、総雨量が900ミリを超えた地点もありました。この大雨で、県内では17人が亡くなり、1人が行方不明となりました。
⑧1974年(昭和49年)台風8号
昭和49年の台風8号では、岡山県の東部を中心に被害がでました。岡山県では、この雨で3人が犠牲となりました。
⑨1972年(昭和47年)記録的な大雨
昭和47年には、梅雨沿線の停滞で、記録的な大雨になりました。岡山県内で2000か所を超えるがけ崩れが起きました。特に高梁川流域で大きな被害が出ました。この大雨で、県内では15人が犠牲になりました。
⑩1934年(昭和9年)室戸台風
昭和9年の室戸台風では、全国で3000人以上が犠牲になりました。岡山県では、旭川や百間川の堤防が決壊。県北部や旭川・高梁川流域でも甚大な被害がでました。県内で110人が亡くなり、42人が行方不明となりました。
見ていただいたように、「晴れの国」として知られる岡山県でも、繰り返し大きな被害を受けてきました。どこでも起こりうる災害、過去の歴史を思い起こし、備えていきたいと思います。